17日間の選挙戦スタート

大票田・鹿児島市で行われた陣営の出陣式(一部加工しています)

過去最多の7人立候補
三反園県政に審判 「継続」か「刷新」か
知事選

 任期満了に伴う県知事選は25日告示され、17日間の選挙戦がスタートした。現職、元職、新人合わせて7人が立候補、県政史上最多となった。4年間の三反園県政への評価や新型コロナウイルス対策などが争点となり、「継続」か「刷新」か、県民の審判が注目される。投票は7月12日。

 届け出受付は午前8時半から鹿児島市の県庁6階大会議室であり、県選挙管理委員会は午後5時に受付を締め切ったが、ほかに届け出はなかった。7陣営はいわゆる「選挙の七つ道具」を受け取ると、出陣式の会場へ。各候補者は大票田の鹿児島市などで第一声を上げた。

 知事選に立候補したのは、元高校教諭で新人の武田信弘氏(66)、医師で新人の横山富美子氏(73)、元鹿児島テレビアナウンサーで新人の青木隆子氏(57)、現職で2期目を目指す三反園訓氏(62)、前知事で元職の伊藤祐一郎氏(72)、元九州経済産業局長で新人の塩田康一氏(54)、元鹿児島大学特任助教で新人の有川博幸氏(61)=いずれも無所属、届け出順=。三反園氏を自民、公明両党が推薦、横山氏を共産党が推薦している。

 武田氏は「人口増に備え基盤整備」を掲げ、離島に関係する政策では「離島の利点を生かした感染症対策(侵入防止のうえで移住者受け入れ)と小学生や中学生の国内留学制度の整備」などを打ち出している。

 横山氏は「命・くらし・自然優先」を掲げ、原発ゼロ・憲法9条実現が主要政策。奄美に関しては世界自然遺産登録を目指す「奄美の貴重・希少な自然を後世に引き続き、暮らしを守る」ための政策を打ち出している。

 青木氏は「いのちと暮らし守る」を掲げ、新型コロナ禍の今だからこそ、従来の県政にはなかった女性の感性で、「赤ちゃんから高齢者、県本土から離島まで、温かく包み込み『魅せる鹿児島』」を打ち出している。

 三反園氏は「『元気な鹿児島』創る」を掲げ、県民の声を大事に寄り添いながら、経済成長や県勢発展に資する施策を積極的に展開、それにより「更なる県民福祉向上につなげていくという好循環」を打ち出している。

 伊藤氏は、奄美に関して「癒しの島づくりを推進」を掲げ、新型コロナ対策では「県立大島病院を中心に感染症医療体制再構築」「産業支援へ大胆な財政出動」「テレワークの拡大」などの政策を打ち出している。

 塩田氏は「豊かで元気な県へ」を掲げ、離島に関しては▽新型コロナ=水際対策・医療体制整備▽産業振興=基幹産業とともに新たな産業振興▽医療福祉=IT技術活用した遠隔医療で充実―など打ち出している。

 有川氏は「新しい鹿児島を創造」を掲げ、観光対策では錦江湾からトカラ列島、奄美群島の島々を結ぶマリンレジャー誘致など「県民の知恵とアイデアを基軸にしたダイナミックなプラン」の推進を打ち出している。

 期日前投票はきょう26日から7月11日まで、県内各市町村の指定された期日前投票所で。投開票日は12日だが、奄美では瀬戸内町の請島、与路島が1日繰上げ投票となる。