コロナ流行見据え対応協議

委嘱状を交付する朝山市長

 

ダブル感染防止 インフル接種率アップ提言も
奄美市予防接種健康被害調査委

 

 奄美市長と医療関係者らでつくる奄美市予防接種健康被害調査委員会(会長・朝山毅市長、委員8人)は26日、委員の任期終了・新たな任期開始により委嘱状を交付した。合わせて、同市の予防接種実施状況について協議。同市では予防接種による健康被害は報告されていない。同委員会では「新型コロナウイルスの流行に備えて、同時期に流行するインフルエンザ予防接種の接種率を上げていくべき」などの提言があった。

 同委員会の任期は2年。今年度は任期終了・新たな任期の開始の年に当たり、朝山市長から委員らに委嘱状が交付された。

 次いで、予防接種の概要・健康被害救済制度について事務局から説明があった。予防接種には集団予防に重点を置いたA類疾病と、個人予防に重点を置いたB類疾病がある。A類疾病には麻しんや風しんが含まれ、接種の努力義務がある。B類疾病はインフルエンザで、努力義務はない。

 予防接種の副反応による健康被害は極めてまれだが、関係者に過失がない場合でも起こり得る。このため、救済制度が設けられている。同市では、健康被害の報告はない。

 次いで、同市の定期予防接種実施状況の説明があり、委員らの協議が行われた。同市では定期予防接種で接種間隔などの間違いがあった場合、該当医療機関に注意喚起を行っている。2019年度は接種間隔の間違いはなかった。同年の間違いは1件で、小児肺炎球菌を接種予定だったところ、4種混合ワクチンを接種したというもの。

 委員らからは「新型コロナウイルスとインフルエンザのダブル感染を防ぐために、インフルエンザ予防接種の接種率を上げていくべき」との提言があり、事務局は「広報活動をよりよく行って周知したい」と回答した。

 また、「新型コロナウイルスのワクチンが認可された場合、市として接種を主導するのか」との質問があり、事務局は「国の方針に合わせて、必要に応じて補助事業を行いたい」とした。

 委嘱された委員は以下の通り(敬称略)。

▽向井奉文(大島郡医師会会長)▽朝沼榎(大島郡医師会副会長)▽岩城陽一(大島郡医師会奄美支部長)▽夏目由美子(大島郡医師会奄美支部副支部長)▽木野田茂(奄美市笠利国民健康保険診療所所長)▽野崎義弘(奄美市住用国民健康保険診療所所長)▽石神純也(鹿児島県立大島病院長)▽松岡洋一郎(名瀬保健所長)