再公募は世界遺産委後に

分譲先が決まっていない区画の再公募の見通しが立たないマリンタウン地区

奄美市マリンタウン 分譲先決まっていない12区画

 奄美市開発公社(理事長・朝山毅奄美市長)は、分譲先が決まっていない同市名瀬の名瀬港(本港区)埋立地(マリンタウン地区)の12区画の再公募について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会の日程決定後に、スケジュールを検討する方針を示した。25日に行われた評議委員会で明らかにした。

 マリンタウン地区では、業務施設用地17区画、計約3・6㌶について、奄美大島に本店がある事業者を対象に昨年7月、分譲受付を開始。1次、2次審査などを経て、最終的には5区画について、3業者と土地売買契約を結んだ。

 残る12区画については、昨年、公募説明会に出席した事業所約20社を対象にしたアンケート調査で「世界自然遺産登録決定後が、投資計画を立てやすい」といった意見が多かったことから、今年度の再公募については当初、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)の勧告や世界自然遺産委員会での登録決定などを見込み、6月頃の再公募を目指していた。

 しかし、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ユネスコが世界遺産委員会の延期を決定、開催時期などは未定となっている。奄美でも島内企業の経営環境が悪化しており、同公社は「地域経済の状況から現状での再公募は難しい」と判断、アンケートの回答などから、世界遺産委員会の日程が決まった後に、再公募のスケジュールを検討することにした。

 昨年度公募した17区画の内訳は▽観光関連(8区画約1・96㌶)▽娯楽サービス関連(4区画約0・88㌶)▽流通関連(4区画約0・73㌶)▽交通関連(1区画約0・02㌶)。1区画当たりの売却額は3億8585万円(観光関連)~1883万円(交通関連)で、売却総額は約41億円を見込んでいた。

 同公社は、再公募の際の売却額や区割りについては「現時点で変更の予定はない」とし、地域の経済振興の観点からも地元企業を優先する方針を示し、「地域経済の状況なども考慮しながら、慎重に再公募の時期を判断したい」としている。