マングローブ散策、生態系学ぶ

マングローブの干潟を散策、カニなどの生き物を観察する参加者

シオマネキやトビハゼなど観察
野鳥の会

 NPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)主催の自然観察会が5日、奄美市住用町のマングローブであった。親子連れら約20人が参加、マングローブを形成する植物やカニ類を見学し奄美の希少な生態系などを学んだ。

 同会の観察会は、新型コロナウイルスの影響などから約3か月ぶりに行われた。参加者は、国内2番目の広さを誇るマングローブ群落の干潟を裸足で散策、鳥飼会長がオヒルギ・メヒルギなどマングローブを形成する植物について解説。白く大きなハサミを付けた姿で干潟を歩き回るオキナワハクセンシオマネキや小さい体で素早く動き回るチゴガニなどマングローブに生息する数種類のカニを観察した。

 近づくと穴にもぐって隠れてしまうシオマネキを遠くから望遠鏡で観察した子どもたちは「すごくたくさん動いている」などと言ってはしゃぎ、捕まえたカニを手の平に乗せて「ハサミが大きい」などと喜んでいた。干潟だけではなくマングローブが茂る細い道も散策した。ミナミトビハゼが水面から飛び跳ねる様子に驚く参加者もいた。

 家族で参加した奄美市名瀬和光町、朝日小1年の原美波さん(6)は「カニの目が立っているのがかわいかった。裸足で泥の中を歩くのが気持ちよかった」と話していた。

 約2時間で観察会は終了。鳥飼会長は「今回は特に初めて参加する人が多かった。何十年、何百年という年月をかけつくられるマングローブには多種多様な生き物が暮らしている。奄美の自然の豊かさを知ることで、自然を守る一歩につながれば」と話した。