「朝仁の千年松」を活用し、製作した朝仁町内会看板贈呈式。加工完成を喜ぶ朝山毅市長(前列右から2人目)、屋村賢良会長(同3人目)
「朝仁千年松、伐採2年後にさまざまな木工製品に〝生まれ変わる〟」―。2018年6月28日に松枯れで伐採された奄美市名瀬朝仁新町のリュウキュウマツ「朝仁の千年松」(愛称)の松材を活用した「朝仁千年松 朝仁町内会看板贈呈式」が13日、奄美市役所の市長応接室で行われた。朝山毅市長から朝仁町内会(屋村賢良会長、425世帯約830人)へ看板を贈った。看板は朝仁児童館内に掲げる計画。また、市側は、「朝仁の千年松」をベンチ、いす、なんこ台、キーホルダーなどに加工して学校、保育園、幼稚園など公共施設に寄贈する計画を進めている。
朝山市長が「朝仁町内会」の文字を書き、看板に彫り込んだ。贈呈式で朝山市長は「朝仁の千年松は、長年にわたり市民に愛され、特に朝仁住民に親しまれてきた木。(松枯れで)倒木となったが、末代まで記憶に残してほしいとの住民の思いが形になり、残った。歴史の語り部になってほしい。おめでとうございます」と祝福。屋村会長は「年輪がきれいだ。町内会住民の要望を受け、立派な看板ができ、後世に残すことができてうれしく思う」と感謝した。
看板は、横約1・5㍍、縦54㌢。重さ約30㌔。児童館の舞台に掲げる予定。
旧国道沿いの千年松公園内にあった「朝仁の千年松」は、神松木(カンマチゲ)として地域を見守ってきたまちのシンボルで、堂々とした枝ぶりがきれいで魅力的だった。旧名瀬市が1978(昭和53)年に保存樹第1号に指定した。現在、指定は解除されている。
2013年夏ごろから松枯れが目立ち始め、樹幹への薬剤注入などを実施したが、樹勢が回復せず、18年6月末に伐採された。
市側によると、伐採した「朝仁の千年松」を活用するため、市木工工芸センター(住用町)でいろんな木工製品を製作。製品のうち▽なんこ台1個 市老人福祉会館▽ベンチ14個 小宿中学校、奄美博物館、市老人福祉会館、(旧名瀬保健所跡地に建設中の)市民交流センター▽スタッキングチェア29個 小浜保育園、朝日幼稚園▽角いす8個・ついたて3個 小宿中学校▽キーホルダー400個(卒業記念用) 小宿小学校―に贈呈を予定している。各製品には「朝仁千年松」の刻印が施されている。