学内実習の様子(提供写真)
クラスを分けての遠隔授業の工夫も(提供写真)
病院などでの感染防止から
不安の中でメリットも
看護福祉専門学校
奄美市の奄美看護福祉専門学校(向井奉文学長)の看護学科(115人)は、病院などに出向いて行う臨床実習を、医療機器のある実習室を使った実習に一部変更している。臨床先の病院などでの新型コロナウイルス感染防止の理由から。不安を感じる学生の声も多く聞こえたが、学内実習で得られるメリットを生かし学習に励んでいる。
同科学生は3年課程で看護師を目指す。各学年のカリキュラムには、病院などの現場に出向いた臨床実習が組み込まれているという。特に、卒業間近の3年生は約6カ月間の臨床実習がある。
今年度の3年生は、ほとんどの期間を学内実習に変更する予定だという(6月からは市役所や保育園での臨床実習は実施)。
学内実習では、人形を患者に見立て、バイタル測定や食事、入浴などの生活援助を実践。また、密をさけるために一度の実習は5、6人の少数で行っている。
同科3年の神林奈那美さんは「臨床実習の期間が少なかったことで、看護師になったとき何もできないのではないかという気持ちもある」と語った。
また、1年生は入学まもなく約2週間の休校を余儀なくされた。同科1年の川村智美さんは「休校時は自宅学習をしていたが、初めての専門的な学習をどう学んだらよいかわからなかった。このまま学習を進めていくことが不安」と話していた。
実習調整を担当する池田恵子学生指導部長は、「学内実習では、臨地と同じ緊張感は得られない。一方で分からないところを繰り返し行い習得できたり、生徒同士の話し合いが多くなるなどのメリットがある」といい、学生からも同様の声があがった。