「島建石」の由来知って

集落形成にまつわる「島建石」の案内看板が設置された(提供写真)

名瀬小湊町内会 名所案内板を設置

 地元の名所「島建石」について知ってもらおうと、奄美市名瀬の小湊町内会(栄嘉弘会長、約250世帯)は23日、集落そばに島建石の由来を説明する案内板を設置した。関係者は「集落の始まりにまつわる伝説にもつながるもの。由緒ある史跡に関心を持つきっかけになれば」としている。

 島建石は、集落南側に位置する前山(ムーヤマ、標高198㍍)の山頂付近にある男神石=イヒリガナシ=、女神石=ヲナリガナシ=の二つの石。自然石で重さは7~800㌔、3~400㌔。集落から見る前山の山際にくぼんだ所があり、そこに石が置かれているという。

 集落に流れ着いた沖縄の王とその妹が、山頂にそれぞれ石を担いで登った伝説が残る。その子孫が増え、集落の形成につながったとして、地元では旧暦の9月9日にはダンゴや酒、料理を備え参拝していたことも。

 看板の大きさは横約1・5㍍、縦約0・8㍍。島建石の由来が書かれ、写真がプリントされている。

 この日は町内会メンバー10人が設置作業に参加。栄会長は「現在では石に関連した行事はなく、存在を知らない住民も多い。集落内外に由来を知ってもらえたらうれしい」と話した。