奄美地方、強風域抜ける

激しく打ち寄せる波で損壊した知名漁港=2日午前10時ごろ、知名町=

強風で倒れた木を撤去する作業員ら=2日午前9時30分ごろ、知名町=

大型で非常に強い台風9号
知名漁港の岸壁破損など被害

 大型で非常に強い台風9号は2日午後3時現在、五島市の西南西約160㌔にあり時速20㌔の速さで北に進んでいる。奄美地方の南部と北部は同日夕方には強風域を抜け、今後は勢力を弱めながら朝鮮半島へ進む見込み。名瀬測候所によると2日は、天城で最大瞬間風速27・3㍍の風が吹いた。高波の影響で知名漁港では岸壁の一部が破損し、瀬戸内町では1件の床下浸水を新たに確認。今回の台風では最大590戸以上が停電、73世帯118人以上が避難した。

 台風9号は8月31日正午から2日夕方にかけて、奄美地方の南部・北部を強風域に巻き込みながら北上。2日は、天城で最大瞬間風速27・3㍍、1日夜は奄美市名瀬で26・6㍍の非常に強い風などを観測した。

 各自治体などによると、台風9号でのけが人や負傷者はなかったが、瀬戸内町渡連集落入口付近の県道では1日、倒木による通行止めも発生。大島支庁瀬戸内事務所によると2日に撤去作業が行われ、同日午前11時半に通行止めを解除した。

 同支庁沖永良部事務所によると、知名漁港は波が高く確認作業が困難なことから破損状況は未確認。今後、波が収まりしだい調査にあたるとしている。

 九州電力によると、2日は和泊町皆川で約30戸が停電していたが復旧。同日午後5時現在、奄美群島内での停電発生はない。

 知名町の県道では、強風による倒木や枝葉の散乱が見られ、風が収まった後、作業員らが撤去作業に汗を流す姿なども見られた。名瀬測候所によると波浪警報は2日夜まで続く見込みで、うねりを伴った高波への警戒、高潮への注意を呼び掛けている。

 なお、警戒本部は天城町、知名町、与論町が1日のうちに解散。和泊町は2日午前7時、大島支庁は同8時半に解散した。