奄美市、台風10号接近に備え

5日午前10時避難所開設 「早めの避難で命守る行動を」

 非常に強い台風10号は、日本の南の海上を西よりに進んでおり、今後、特別警報級の勢力まで発達し、5日から6日にかけて奄美地方に接近すると見込まれる。奄美市など各自治体はホームページやSNSで台風や避難所開設などの防災情報を発信、住民らに早めの避難など最大限の警戒を行い、「自分と大切な人の命を守る行動を」とるよう呼び掛けている。

 同市によると、5日午前10時に市内71カ所(名瀬32、住用13、笠利26)に避難所を開設する予定。開設の際は改めて、防災行政無線やエリアメール、ホームページなどで市民らに知らせることにしている。名瀬地区では当初避難所に予定していた新川ふれあい館(名瀬安勝町)が、新川沿いに面していることから閉鎖となり、大島高校に変更された。

 市総務課危機管理室は、山裾や低い土地に住んでいる住民らに対し、土砂災害や浸水などに注意するよう呼び掛けており、「暴風の中の避難は危険。事前に避難所の場所などを確認し、避難する場合はできるだけ早めに行動してほしい」と呼びかけている。

 今回、新型コロナウイルスの感染拡大後、初めての大規模な避難所開設で、市は感染対策として、避難する際は、マスクの着用と事前の検温の徹底を呼び掛けている。避難所では混雑なども予想されるが、同危機管理室はアルコール消毒液などを設置、「手洗いやアルコール消毒などをこまめに行い、できるだけ密になる環境をつくらないよう協力をお願いしたい」としている。

 また、避難時に食料品や薬、着替えなど必要品を忘れないよう呼び掛けているが、奄美薬剤師会の岡村芳和会長は、災害発生時は停電などで病院や薬局のデータが確認できないこともあることから、「薬を服用している人は、カルテ代わりにお薬手帳も一緒に持ち歩いてほしい」と話している。

 市は5日、職員約150人態勢で警戒に当たることにしており、同日午後には災害警戒本部を立ち上げ、同日夕には対策本部に格上げし最大限の警戒で、台風の接近に備える。