秋の全国交通安全運動と合同開催したクロウサギ交通事故防止キャンペーン=23日夕、伊仙町役場前の県道
【徳之島】徳之島署や同地区交通安全協会などの「秋の全国交通安全運動街頭キャンペーン」と、2000年度「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」(環境省主催)が23日夕、伊仙町役場前の県道で合同であった。特別イベント用のクロウサギのマスコット「あまくろ」も参加して、往来のドライバーにそれぞれのチラシやグッツを配布。人のみならず野生生物の命をも救うための安全運転を呼び掛けた。
クロウサギ交通事故防止キャンペーンは、国指定特別天然記念物でもある同個体群の動きが活発化して林道などでの交通事故死が増える傾向にある秋期の今月15日~11月15日まで展開中。奄美大島と徳之島両島の地域住民や観光客などに対し、①クロウサギが飛び出してもすぐに止まれる速度で運転を②林道のみならず国道・県道にも出現、夜間は特に注意を③事故多発地点の警戒標識に注意を―などを呼び掛けている。
午後3時から伊仙町役場前であった合同街頭キャンぺーンには、徳之島署や地区交通安全協をはじめ、環境省や自然保護団体関係者など双方合わせ約30人が参加。子どもや高齢者の事故防止、飲酒運転・危険運転などの防止と併せて、クロウサギなど野生生物に配慮した優しい運転をアピール。歩道上で自らアピールした「あまくろ」は下校中の小学児童らの関心も集めた。
「あまくろ」とともに汗だくで訴えていた環境省・奄美群島国立公園徳之島管理事務所の福井俊介国立公園管理官(26)は「夜間はクロウサギなど野生生物がいつ飛び出してもおかしくないことを念頭に運転。全国交通安全運動と一緒にやらせていただくことは、人の命も、野生生物の命も救うことにつながると思う」と話した。
ちなみに徳之島での過去5年間のクロウサギの交通事故死数(確認・断定分)は、▽2015年の0匹から▽16年は出現エリアも広がり8匹に急増し▽17年同▽18年19匹▽19年16匹▽20年10匹(23日朝確認分まで)となっている。