探究活動でポスターセッション

「僕らが求める大島紬とは」について発表する三浦幸太さん(左)と榮大樹さん

「介護職の魅力を色々な人に知ってもらうためには?」について発表する宮田彩斗さん

「大島紬」など5テーマ 地域の協力者らに説明
大島北高2年生

 県立大島北高校(下髙原涼子校長、生徒138人)の体育館で、2年生45人が30日探究活動の成果を表したポスターセッションを行った。探究活動に協力してくれた奄美市笠利総合支所や地域の人々、1年生を招いて自分たちがつくったポスターの説明を行い、質問に答えた。

 「探究」とは、自分自身で設定した課題(疑問)を解決するために情報を集め、それらを整理・分析し、自分の答え(解決策や意見)をまとめ・表現していくこと。そして自分の探究を振り返り、次なる課題を見つける。この一連のサイクルを「探究」という。探究活動を行うことで、社会で役立つ「問題を解決できる力」や「今、何が問題になっているのか」を発見する力も伸びるという。生徒たちは自ら課題を設定し、活動を進めていくので、主体性が大切だ。

 以前から探究活動を重視していた学校もあるが、学習指導要領の改訂によって、2019年度入学の高校1年生からこれまで「総合的な学習の時間」として実施されてきた科目が「総合的な探究の時間」となったことにより、探究活動は全国に広がっている。同校でも探究に力を入れており、「大島紬」「農業」「医療福祉」「シマ口」「世界遺産」の5テーマについて同支所の担当者から説明を受けた後、生徒たちは自分で探究したいテーマを考え、12グループに分かれて活動した。夏休みには地域の人々に自ら協力を依頼し、フィールドワークも行ったという。同日のポスターセッションは探究活動の「まとめ・表現」にあたる。

 「僕らが求める大島紬とは」について発表した三浦幸太さん(16)と榮大樹さん(17)は「どのようにアンケートをつくったらいいか頭を使った。アンケートを集計してうまくまとめるのが大変だった」と話した。

 「介護職の魅力を色々な人に知ってもらうためには?」について発表した宮田彩斗さん(17)は「介護の現場で働く人々にインタビューしたら、とてもやりがいを感じていらっしゃることがわかってよかった。もっとデータを集めたり、インタビュー依頼のときに先に質問項目を伝えておけばよかった」と振り返った。

 探究活動を指導する齋藤孝誠教諭(31)は、「初めての探究活動だったが、生徒がここまでできるとは思わなかった。地域の方々にいろいろ教えていただけたのもよかった。今回の経験をベースにして、次の探究活動もがんばってほしい」と語った。