県議会最終本会議

予防接種助成対象26万4千件見込む
9月補正・追加分など可決 PCR医師判断、全額公費で
戸玉採石不認可陳情は継続審査

 9月定例県議会は7日、最終本会議があり、2020年度一般会計補正予算(第9号)・追加提案分など議案14件を可決、19年度決算認定関係3件を決算審査特別委員会に付託した。新型コロナウイルス感染症対策で、冬場のインフルエンザ流行期に入ると症状が共通する発熱者の増加が予想されることから、補正予算に小児(生後6か月~小学6年生)および妊婦を対象に接種費用助成が追加計上されたが、対象者は全体で約26万4千件を見込んでいることが報告された。

 補正予算の追加額は49億2400万円で、補正後の一般会計総額は9318億3400万円。質疑での当局答弁によると、インフル予防接種補助事業は小児が1回上限2千円を2回分、妊婦が1回上限2千円を1回分補助するもの。対象者の70%が接種すると想定して助成額を計上。期間は10月1日から来年3月末まで。高齢者を助成対象にしなかったのは県内のすべての市町村で一定の補助をしている実績があるため。

 追加補正もあった生活福祉資金貸付補助事業は、貸付実績が報告された。それによると9月末時点で緊急小口資金8640件・約16億円の申請があり、すべて同額で貸付決定。総合支援資金は5299件・約28億円の申請があり、すべて同額で貸付決定され、月ごとに分割送金される見込み。国において受付期間が9月末から12月末まで延長されたことから、これに必要な経費として20億円を計上している。

 PCR検査機器に関する当局報告もあった。追加補正により県環境保健センターでのPCR検査は、新たに20人分の検査が可能となり、1日当たり50人の検査件数となる見込み。また、民間検査機関等に対してはPCR機器12台、7443万円を助成する。このPCR検査について地頭所恵・くらし保健福祉部長は「行政検査とは別に医師の判断で検査できる仕組みが設けられ医療保険が適用されることになり、費用にかかる自己負担分については全額公費で負担される」と述べた。

 請願・陳情関係で、「奄美市住用町・戸玉集落内の採石事業拡大不認可の陳情」は、付託された産業観光経済委員会・向井俊夫委員長が審査結果を報告。向井委員長は「県で審査継続中である経緯を見守る必要がある、陳情の趣旨から指導や改善が必要であり採択をとの意見があり採決した結果、継続審査とした」と説明。本会議での表決でも委員長報告通り継続審査となった。

 教育委員会委員の任命同意は、原之園政治氏(67)=鹿屋市=、馬場美紀子氏(48)=鹿児島市=いずれも同意された。