民家の網戸に飛来(6日夜)した最小種の「トクノシマコクワガタ」=7日、伊仙町阿権で
【徳之島】秋の夜長の窓明かりに誘われて飛来しして網戸にすがっていた超ミニサイズ(体長28㍉)のクワガタムシ。「カナブンかマメタン(クワガタのメス)と思った。会ったことのない虫だった」と伊仙町阿権の農業、勝忠信さん(70)。徳之島だけに分布する「トクノシマコクワガタ」と知り2度びっくり。
トクノシマコクワガタ(徳之島小鍬形)は体長は21~38㍉。奄美大島以南に生息する近縁種のリュウキュウコクワガタの亜種で、徳之島でも個体数が少ないとも。コクワガタよりも小さくて体の光沢も強め。大顎(アゴ)はヒメオオクワガタに近い―など特徴が。
勝さんによると、一般的なクワガタ類は例年7月~8月上旬にかけて飛来するが、この時期は初めて。極小サイズの上に「体を触ると、全身をかちんこちんに硬直させて死んだふりをし、しばらく動かなくなるのもかわいい」とニッコリ。
同島の野生生物に詳しい自然写真家・山田文彦さん(天城町在住)も「山中では見かける種だが、(住宅の)灯火に寄ってくるとは聞いたことがない」と話していた。