伊仙町であった「知事とのふれあい対話」=25日、同町ほーらい館
視察では急きょ組み込んだ野菜生産農家との交流も=25日、同町阿権
【徳之島】徳之島を皮切りに始まった塩田康一知事と県民の「ふれあい対話」2日目・25日は、引き続き伊仙町であった。同町住民代表たちからも農業を中心とした産業振興支援の強化、割高航空運賃や物流コスト減対策など格差の是正、世界自然遺産取り組みなどほぼ共通した質問・要望が相次いだ。幼少期に過ごした同町への思いにもふれ、現地視察では住民たちと気さくに交流した。
町内視察に続き午後1時から同町ほーらい館で開き、町内各分野の住民代表ら15人と傍聴人約100人参加した。
子牛の有利販売のための競り購買者(肉用牛肥育業者)旅費助成や、生産コスト削減に必要な飼料など資材輸送費支援の要望に、塩田知事は「コストの是正は昔からの課題であり、対応していきたい」。自然保護活動などに取り組むNPO関係者の「世界自然遺産登録に向けては課題が山積。徳之島には県の自然遺産推進の担当者がいない」など指摘には、「県も当事者意識を持って推進しており、県徳之島事務所でも対応。自然の価値を地元に知っていただく活動も大事」理解を求めた。
農業振興による所得向上対策には「所得向上は県全体の課題。(単一品目の)モノ・カルチャーではなく、高収益型作物を作ることも大事」とも強調。
伊仙小1年生まで3年間を同町で過ごし〝第2のふるさと〟と慕う同島への思いなど質問には、「非常に鮮明に覚えている。関東の郷友会にも参加。人と人のつながりが一番大事だと思う」。ふれあい対話で寄せられた意見や要望は「今後、関係部局にしっかりと伝えて県政に反映させていきたい」とも述べた。
午前中は、同町内の日本マルコ㈱徳之島事業所(糸木名)、阿権の野菜生産ほ場、児童発達支援など施設「キノコにじいろクラブ」(伊仙)などの視察もこなした。カボチャやズッキーニなど園芸品目にも取り組んでいる貞準二さん(59)=阿権=は、「知事の訪問はうれしかった。しっかりと目を合わせ、熱心に聞いてくれた。若者たちに新規品目による〝サラリーマン農業〟を普及したい」と話した。
徳之島地区に続く第2弾は、11月21、22日に北薩地区3市町(長島町・出水市・阿久根市)で開く。