秋の味覚「マコモ」を買い求める客らでにぎわった直売会
龍郷町秋名 秋の味覚、買い求める
休耕田活用と地域おこしへ生産
龍郷町秋名で25日、秋の味覚「マコモ」の直売会があった。午前11時の販売開始前から、大勢の買い物客らが訪れ、刈り取ったばかりの新鮮なマコモを買い求めていた。
直売会は、生産者ら22人で組織する「秋名・幾里マコモ生産組合」が主催。秋名コミュニティーセンター近くの水田周辺の農道沿いには、生産者らの販軒所20軒ほどが並び、前日から早朝にかけて収穫した新鮮なマコモを1袋(800㌘)1000円で販売した。
各販売所とも大盛況。用意した分では足らず、急きょ販売所横の水田で収穫を始める生産者の姿もあった。約30㌔を用意した龍宮省三さん(71)は、販売開始から1時間足らずで完売した。
龍宮さんは「2週間ほど収穫が遅れてしまい、みんな待ち遠しかったのでは。例年より小ぶりだが、奄美の旬の味を楽しんでもらいたい」と話した。
マコモはイネ科の多年草。根本部分の新芽は、柔らかいタケノコに似た食感で、ほのかな甘みが特徴。奄美では、秋の味覚として、天ぷらや炒め物、みそ汁、サラダなどの具材として昔から食させている一方、近年は栽培する農家も少なくなっている。同組合では、休耕田の活用と地域おこしにつなげようと生産を始めた。龍宮さんによると、11月中旬ごろまで収穫は続く見込みという。
笠利町から訪れた泉義昭さん(62)は、「昔は笠利でも収穫されていたが、今はここでしか手に入らない。今晩は、天ぷらにして焼酎のつまみで食べたい」と笑顔で買い求めていた。