野生生物保護センター設立20周年記念イベント

平城達哉さん(左)、環境省国立公園管理者早瀬穂奈実さん(右)と対談する服部正策氏(中央)

 

オオトラツグミの生活を分かりやすく展示(企画展)

 

「生きものはみなすごい」
服部正策氏のオンライン講演会
企画展も25日から開催

 

 環境省奄美野生生物保護センターと奄美自然体験活動推進協議会は、同センター設立20周年記念イベントを25日に開催した。同イベントはすべてオンライン配信され、奄美群島で長年研究してきた服部正策氏の講演会および奄美市立奄美博物館勤務の平城達哉さんとの対談があった。また、奄美の希少種の生活に着目した企画展「希少種の生活~寝る・食べる・育てる~」を25日~11月23日まで同センターで開催する。

 25日の記念講演会は伊集院幼大和村長のあいさつで始まり、同センターの歩み、奄美の自然を守る取り組み、奄美自然体験活動推進協議会の活動などが発信された。

 元東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設准教授の服部氏は「服部正策がみた奄美の森の40年」のタイトルで講演。40年の間に数多くの調査や会議に携わったことと合わせて、個人として追ってきたカンアオイなどたくさんの生きものを紹介。奄美の森の変化を見つめてきた。世界自然遺産登録に向けた国際自然保護連合(IUCN)の視察にも同行し、推薦書作成にも関わった。この2年間で森に動物が驚くほど増えたという。「いちばんすごいと思った生きものは?」の質問には「生きものはみなすごい。植物もよく木にへばりついて生きているし、雨がずっと降らなくても生きている。とても無理だろうと思うところで暮らしている虫もいる。よく命をつなげるなあと思う」と答えた。

 同センターが開所したのは2000年4月。奄美群島の生きものや自然環境を保護するために、大和村に環境省の施設として設立された。アマミノクロウサギなどの希少な野生生物に関する調査・研究、外来種であるマングースなどの外来生物対策、展示物や自然観察会などを通じた普及啓発活動、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産に向けた取り組みなどを総合的に行っている。

 企画展「希少種の生活~寝る・食べる・育てる~」は、奄美大島の希少種アマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラツグミに焦点をあて、彼らの生活についてはく製や模型を中心にわかりやすく紹介。QRコードを読み込むとその場で動画も見られるなど、工夫がされている。25日~11月23日まで。月曜休館(11月23日は祝日のため開館)。入館料無料。

 問い合わせは奄美野生生物保護センター(大和村思勝字腰ノ畑551)?0997・55・8620まで。