伊仙町の幸山さん(89)町教委が感謝状

伊仙町内の全小学校に手作りの竹馬を贈り続けている幸山忠重さん(89、中央)=26日、町役場前で

町内全小に「竹馬」贈り7年
昔の遊び体験にも貢献

 【徳之島】伊仙町教育委員会(大山惣二郎教育長)は26日、竹馬を手作りして毎年町内の全小学校(8校)に寄贈を続け、竹細工玩具での昔の遊びも提供している同町目手久、建設会社元役員、幸山忠重さん(89)に感謝状を贈呈。1週間がかりで用意した7年目の竹馬贈呈を機に、子どもたちの健全育成への貢献をたたえた。

 動機については、茶目っ気をのぞかせながら「学校があったおかげさまで、本も読め、字も書けるようになり、感謝の気持ちでいっぱい」と幸山さん。7年前、ひ孫たちの通う面縄小に計5対を手作りして贈った翌年からは町内全小に拡大した。生来の手先の器用さに加え、建設業関連の機材の力も駆使しながら計40対(80本)ずつを毎年贈っている。

 幸山さんはこのほか、毎年末には、鹿児島かコンテナ1個分の孟宗竹(直径12㌢程度)を取り寄せ、本格的な対の門松飾りも手作り。町内の中学校3校を含む全11校の校門を飾って喜ばれている。また、地元竹材で作った昔の玩具遊び体験の場も提供。〝デジタル・バーチャル世代っ子〟らに新鮮な感動もプレゼントしている。

 各小への竹馬の配達の前に町役場敷地で感謝状の贈呈式があった。大山教育長(72)は「私たちの幼いころは、竹馬や遊び道具を自分たちの手で作って遊んでいた。子どもたちに昔の遊び体験を提供いただき感謝」。幸山さんは「健康である限り続けます。そろそろ、門松づくりの準備をと思っている」と、かくしゃくと笑顔を輝かせた。