大高がプロジェクト参加

プロジェクトについて授業を行う鈴木さん(5日、大島高校)

服の役割についてディスカッションした

ユニクロ×教育機関 環境、国際問題に取り組む
5日、出張授業で説明

 大島高校(竹井俊久校長、生徒735人)の1年6組(41人)と同校生徒会は、ユニクロなどを展開する㈱ファーストリテイリングが主催する社会貢献活動の“届けよう、服のチカラ”プロジェクトに参加している。5日はイオン名護SC店の店長・鈴木隼さん(沖縄県)が来校し、プロジェクトの概要を写真や動画を使って説明した。

 プロジェクトは、着なくなった服を回収し、世界中で本当に服を必要としている難民の子どもたちに届けるもの。国際、環境問題に関心を深めること、自分たちができる社会貢献活動に気づくきっかけづくりとして2013年から始まった。参加対象は小学校から高校まで。参加校の児童生徒らは、ユニクロやジーユーの社員から授業を受けた後、着なくなった服の回収、本社へ発送する作業を主体となって行う。難民キャンプへの寄贈後は同社社員から報告を受ける。

 19年度は全国から442校、約4万人が参加し、約87万着の子ども服を集めたという。

 この日は鈴木さんがSDG,s(持続可能な開発目標)をもとにプロジェクトの概要を説明。その中で環境問題や世界の難民の現状▽現在7080万人以上の難民がいて、その半数以上は子ども▽子どもたちが着る服が不足している▽服の役割ーなどを伝えた。

 生徒らは12月7日の発送を目指し、校内や地域で乳幼児~160サイズの子ども服の回収を始める。本来は6~7月にある出張授業だが、新型コロナウイルスの影響で同日に変更になった。

 同クラス担任の吉原宇勇教諭は、コロナ禍で生徒らの活動機会が減ったことからプロジェクトの参加を考案。「回収期間は短いものの、生徒らが自主的に活動する機会づくりになれば」と期待した。

 生徒会長の保岡海輝さん(2年)は「生徒会でできるSDG,sに関する取り組みについて、昨年から思案してきた。今回このような機会を与えていただきありがたい」と話した。

 同組の徳田蒼=そう=さん(1年)は「自分の身近にある衣服が、地球規模の環境や国際問題に関連することを学んだ。今後は知識を深めながらプロジェクトに取り組みたい」と意欲を示した。

メモ

 難民…人種、宗教、国籍、政治的意見、特定の社会集団に属するなどの理由で自国にいると迫害を受ける、またはその恐れがあるため他国へ逃れた人々(同日授業から)