過疎法現行での延長要望

過疎法現行での延長要望

金子万寿夫衆院議員を訪問し、要望書を手渡す一行

龍郷、和泊町長らが衆参両院を訪問

 【東京】今年度末で期限切れとなる過疎地域自主促進特別措置法(過疎法)を延長してもらえるよう、竹田泰典龍郷町長らが19日、衆参両院を訪問した。一行は、森山裕国会対策委員長(自民)や遠山清彦財務副大臣(公明)らを表敬、過疎の実態を訴えていた。

 関係代表を表敬したのは竹田龍郷町長のほか、前田豊成同議長、元山公知宇検村長、伊地知実利和泊町長、永野利則同議長と屋久島町の荒木耕治町長の6人。

 過疎法は2021年3月末で期限が切れるため、自民党では議員立法による新法を検討中だが、要件見直しにより、県内の十数市町村が指定から除外されたり、対象地域が縮小したりする可能性もある。そうしたことで返済額の7割が交付税措置される過疎対策事業債(過疎債)が発行できなくなるなど、自治体の運営に影響が出てくる懸念がある。人口要件の見直し案を基に試算すると、奄美群島では、龍郷町、和泊町及び、知名町が除外対象と見込まれるという。一行は、離島の地理的条件の不利性などを考慮し、現行過疎地域を継続して指定対象にしてもらえるよう訪問先で訴えた。20日に控えた「過疎法」の全国決起大会を前にしたもの。

 竹田町長は、地元選出の金子万寿夫衆院議員に「除外されると財源確保が厳しい。死活問題なので、何とか(維持)してほしい」と状況を説明。「奄美大島の中で龍郷だけが対象とは心配だ」と応じた金子議員は、「離島はむしろ人口減少の歯止めに努力している。離島の重要性を評価し、延長はなければならない」と、過疎法の現行での継続に理解を示した。龍郷町によれば、過疎法により3億円前後が財源となり、教育文化などさまざまな施設の充実や航空券の離島割引に割り当てられている。

 自民党は、デジタル技術での遠隔医療、教育のテレワーク推進などを盛り込んだ素案を公明党や野党とも協議し、年明けの通常国会へ提出。4月の施行を目指している。