「世界自然遺産登録に役立てて」

朝山市長に目録を手渡す有村社長(中央)と上村支店長(左)

推進基金に寄付 SDGs私募債活用で
奄美大島酒造と鹿銀

 奄美大島酒造㈱(有村成生代表取締役社長、奄美市名瀬)と鹿児島銀行は25日、同行が取り扱う社債発行額に応じて指定団体に寄付をする「SDGs私募債」を活用して、奄美群島広域事務組合に10万円を寄付した。寄付金は同組合が管理する「世界自然遺産登録推進基金」に充てられるという。

 この日、有村社長と鹿児島銀行の上村聡大島支店長が奄美市役所を訪れ、同組合管理者の朝山毅市長に目録を手渡した。

 SDGsは持続可能な地域社会を目指す国連の開発目標。貧困解消や海洋資源の保全など17項目が掲げられている。

 同行はSDGsに取り組む事業者の資金調達ニーズに応え、発行金額の0・2%を指定する団体などに対し寄付・寄贈を行う「かぎんSDGs推進私募債(愛称しぼどん)」を昨年スタートさせた。奄美大島酒造は5千万円を発行(今年3月27日)し、設備投資などで資金活用するという。

 基金は奄美群島の世界自然遺産登録に向けた取り組みと、登録後の環境保全の推進などの活用が目的。朝山市長は「受け取った善意を今後の活動の中で役立てたい」と述べた。

 有村社長は、同行が進める環境や福祉、文化などの分野での地域貢献方針に理解を示し、「世界自然遺産登録に関わらず、奄美の財産である動植物の保全と維持は大切。会社理念として、今後も社会貢献活動につとめたい」と話した。