市議会一般質問

解体補助制度創設を検討
市内の空き家1019戸、老朽化は383戸

 奄美市議会12月定例会は10日、一般質問を続開、林山克巳(自民党奄美)、関誠之(社民)、奥輝人(自民)、栄ヤスエ(公明)、正野卓矢(チャレンジ奄美)の5議員が登壇した。奄美市が昨年度実施した「空き家実態調査」で1019戸の空き家が存在、うち老朽化により周囲に危険を及ぼす可能性のある空き家が383戸だったことが報告された。市は今年度中に空き家対策などを検討する協議会を設立する方針で、危険な空き家の解体を後押しする補助制度の創設も含め、対策を検討していることを明らかにした。

 空き家問題については、正野議員が質問。空き家実態調査では、①建物が良好で利活用可能②利活用には一部修繕が必要③老朽化により周囲に危険を及ぼす可能性が高い―の3段階に分類。①225戸②411戸③383戸の空き家が確認されたという。

 地域別では名瀬639戸、住用91戸、笠利289戸。市は、利活用ができる空き家については、空き家バンク制度や購入助成事業などを活用し、移住者への貸し出しや売却などを支援していく。

 子どもの虐待については栄ヤスエ議員が質問。市に相談があった虐待件数について、2018年度は26件(身体的10件、性的1件、心理的4件、ネグレクト11件)、19年度は48件(身体的7件、性的1件、心理的1件、ネグレクト39件)、20年度(10月末現在)は39件(身体的3件、ネグレクト36件)だったことを報告。22年度までに家庭支援を行う拠点を整備、保健師などの相談員を配置する方針を示した。

 市内の中学1年男子生徒の自殺を受け、市教委が設置した再発防止対策検討委員会がまとめた生徒指導ハンドブックについては、関議員が質問。市教委は来年3月をめどに印刷製本し、各学校に配布活用する考えを示した。また、同検討委の議事録について、要田憲雄教育長は「今後各委員の承認を得て開示したい」と答弁した。

 奥議員は今期のタンカンの収穫見込みについて質問。市は、今年度産について、「台風による被害も少なく、順調に生育しており、近年で収穫量が最も多かった16年度産(約872㌧)並みの収穫量が見込まれる」ことを報告した。

 市が進めるフリーランス(個人事業主)支援については、林議員が質問。ICT(情報通信技術)を活用したウェブライターやインターネット上で販売を行うハンドメイド作家などの育成を支援、5年間202人のフリーランスを育成した実績が報告された。