タンカーから油流出想定し訓練

油流出を想定、吸着マットや回収機、ひしゃくなどを使った回収作業の訓練を行う参加者ら

九電竜郷発電所桟橋 吸着マットなどで除去
奄美群島排出油等防除協議会

 奄美群島排出油等防除協議会(会長・江藤隆志奄美海上保安部長)は18日、龍郷町の九州電力竜郷発電所ドルフィン桟橋で、官民一体による油防除訓練を行った。訓練は、桟橋に係留しているタンカーから重油5㌔㍑が海上に流出したとの想定で行われ、参加者は真剣な表情で、油の除去作業などに当たった。

 訓練には奄美海上保安部や九電、龍郷町、奄美署、大島地区消防組合龍郷消防分署、奄美漁協龍郷支所の6機関から約50人が参加した。奄美大島での訓練は、2016年に奄美市の名瀬港で実施して以来4年ぶりで、同発電所での開催は6年ぶり。

 同発電所の桟橋がある龍郷湾には、同発電所の重油タンクなど石油・ガス備蓄基地が点在。過去には、石油タンカーが浅瀬に乗り上げる事故も発生している。

 訓練では、海上に流出した重油の拡散防止のため、タンカーの周りにオイルフェンスを展張、油吸着マットや油回収機、ひしゃくなどを使って油を回収する作業を行った。

 現場で訓練を指揮した同海保の上村邦博警備救難課長は「官民一体となった訓練で、各機関が担う作業を一つ一つ確認することができた。それぞれが的確に作業を行うことで被害を最小限にとどめることができる。重油流出は自然や海洋生物に大きな影響を与えることを考慮し、迅速に対応できるよう今後も関係機関の連携を図っていきたい」と話し、同発電所の河口満廣所長も「油を取り扱う事業者として、万が一の事故に備え関係機関と連携した訓練を実施できてよかった。今後も奄美の環境保全に努めたい」と話した。