窯から出来上がった炭を取り出す生徒たち
炭を砕いて土のうやビニール袋に詰めていく
奄美市名瀬の崎原小中学校(長﨑克則校長、児童生徒25人)は22日、炭作りの最終段階となる、校内の窯内で冷ました炭の取り出しと袋詰めを行った。地域住民や保護者も見守る中、子どもたちは軍手をはめて、出来上がった炭を窯から一生懸命取り出し、袋に小分けした。
崎原地区で伝統的に行われていた炭作りを体験することによって、郷土の自然の豊かさや自然を生かした産業について学び、郷土を愛し、誇りに思う児童生徒を育てることが目的。
同校では郷土の素材・人材を生かした授業と位置づけ、2005年から毎年行っている。今年は先月22日に炭の材料となる木を学校林から伐り出し、27日に窯への木入れ・火入れを行い、今月3日に5日半燃やし続けた火を消し、完成となるこの日を迎えた。火を燃やし続けるために、地域住民と教職員が協力し、6時間おきに火の確認と薪入れを行ったという。
この日はまず窯をくずし、レンガと土を除いて炭を取り出せるように準備。炭が姿を見せると「あっ、白いものが見える!」と歓声が上がった。一人ずつ全員が窯の中に入り、出来上がった炭を取り出した。その後、炭を砕いて大きいものは土のうに、小さいものはビニール袋に詰めていった。最終的に出来上がった炭は226㌔分となり、各家庭に持ち帰ったり、地域住民に販売するという。
今年で3回目という中学3年の辺木颯太さん(15)は「今年もけっこういい炭ができてよかった。一大行事なので準備も大変だったけど、なんとか無事にできてほっとした」と話した。妹で小学4年の美咲さん(10)は「みんなと協力して炭を取り出したり、運んだりするのが楽しかった」と話した。
全行程を指導していた崎原町内会の青田純孝さん(69)は「今年の炭はいい出来だった。みんなが力を合わせてひとつのものを作るのはとてもいい経験。将来バーベキューなどで炭を使うときに、この経験を思い出してほしい」と語った。