40年前創刊、第65号で廃刊

『るりかけす』は第65号で廃刊。編集者の児玉惠智子さん

 

文芸・評論郷土誌『るりかけす』
俳句、短歌、評論など掲載「投稿者、購読者ありがとう」

 「40年前に創刊、発行の歴史に幕。投稿者、購読者の皆さん、長い間ありがとう」―。奄美るりかけすの会発行の文芸・評論郷土誌『るりかけす』は、今年11月に印刷・発行した第65号(最終)をもって廃刊となった。1980(昭和55)年7月創刊、途中で7年間休刊したが、その後復刊、年2回(5、11月)発行を続けた。俳句、短歌、評論、創作など掲載してきた。編集者の児玉惠智子さん(83)=奄美市名瀬小宿在住=によると、「児玉さんの目の病気などで廃刊を決心。後継者を探せなかった」という。奄美内外在住の投稿者がつづってきた郷土誌発行が幕を閉じた。

 同会によると、▽80年7月に崎田実芳さん(発行人、初代会長)、高美喜男さん(編集人)を中心に創刊号発行。活版、A3判、定価500円、モノクロ▽86年までに1~9号まで発行を続けたが、93年まで都合で7年間休刊▽93年5月、10号発行。B5判に変更。原稿をタイプライターやワープロで植字し、自分たちで印刷。製本だけ印刷会社に依頼▽2004年5月、32号から2代目会長の児玉三朗さんが引き継ぐ。印刷から製本まで印刷会社に依頼▽05年の34号から表紙だけカラー▽17年から事務局員の児玉惠智子さんが編集を引き継ぐ▽40年間、定価は500円。

 表紙の題字は、書家の四本健治さん(故人)の作。

 最終の第65号は、B5判、157㌻。執筆者(敬称略)は▽俳句 永二てい女、入江秀子▽短歌 崎田実芳、宇都幸枝、吉田とう、美代イシ、東條利夫、豊島忠司、児玉惠智子、福元幸茂、西シガ子、たなせつむぎ▽ジュニア短歌

 大井紗奈美▽短歌 森一義▽連作短歌、長編詩 間弘志▽教育実践 宇都幸枝▽評論 吉田とう、里山哲雄、菊池保夫▽創作 藤由朝、海野さだ子▽紹介記事、総目次(第27号~第64号) 間弘志―など。

 ※表紙写真は児玉拓、挿し絵は田中あゆみ