大高・職の魅力発見プロジェクト

生徒の質問に答える経済・産業・振興分野講師の友原さん

進路具体化へ7業種の社会人招き講義
奄振基金の業務紹介も

 県立大島高校(竹井俊久校長、生徒735人)は25日、「総合的な探求の時間」で、2年生(258人)を対象に地元企業で働く7業種の社会人を招き講義を開いた。生徒らは事前に選択した二つのテーマの講義を受講。職業観の育成や、総合的な探求の時間で行っている研究について、専門的な知識を持つ人から助言を受けることなどを目的としている。

 業種は①自然・環境②教育③伝統・文化④医療・健康⑤経済・産業・観光⑥防災・減災⑦社会福祉・人権―の7種。島内企業や事業所からそれぞれ講師が来校し、仕事内容や「やりがい」、職業に就くまでの過程などを話した。

 経済・産業・観光分野の講義には、独立行政法人奄美群島振興開発基金から友原統吾さん(33)と村田奈都希さん(32)が訪れた。2人も奄美市出身で、友原さんは同校のOBだという。友原さんは同基金を奄美群島振興開発特別措置法(奄美群島の産業の振興開発と経済の発展を促進するための法律)に基づいて設置された国の政策金融機関であると説明。うち保証業務(事業者が金融機関から貸付を受ける際に、金融機関に対して負担する責務の保証を行う)と融資業務(金融機関からの資金の融通を受けることが困難な事業者に対する貸付)があるとして、具体的な業務内容を伝えた。また、奄美群島を深く理解する必要があるとして「難易度やや高め(友原さん)」の「奄美群島クイズ」を15問出題。奄美市で生まれ育ち、同基金に就職するまでの経緯も紹介した。村田さんは、他職種を経験した後に同基金に入社したといい、その経緯や学生時代の留学経験なども話し「多くの選択肢から将来を考えてもらえたら」と伝えた。

 質疑応答があり、受講した森田佳澄さんは「農業に携わる高齢者の手助けをするために、スマート農業を取り入れるための補助金があるか否か」と質問。友原さんは「補助金の交付を受けるには、ある程度の条件を満たす必要があるものの、今後ドローンやアシスト用品の需要は全国的に増えていく。これから調べていけたら」と答えた。

 森田さんはこのほか伝統・文化の講義を受講したといい「新聞部の活動で多くの場所を取材した際に、大島紬の継承に興味をもった。経済の分野はもともと興味があり、研究を進める中で高齢者の農業をサポートしたいという思いが生まれた。今回質問に対し前向きな意見をもらえてうれしかった」と話した。