「小出義雄メモリアル天城クロスカントリーパーク」記念碑除幕式に集った関係者=8日、天城町松原
【徳之島】実業団陸上など徳之島のスポーツ合宿の基礎を築いた故小出義雄氏の功績を永遠に顕彰しよう―と天城町が名称変更した「小出義雄メモリアル天城クロスカントリーパーク」(同町松原)の記念碑除幕式が8日、同地であった。クイーンズ駅伝2連覇達成の日本郵政グループ女子陸上部の高橋昌彦監督や、佐倉アスリート倶楽部時代の教え子たちも参加。名将を偲び功績をたたえた。
小出氏(2019年4月24日死去、享年80歳)は、積水化学女子陸上監督時代の1998年2月に初来島。それまでの有森裕子(バルセロナ五輪女子マラソン銀・アトランタ銅)など続き、徳之島合宿を通じ高橋尚子(シドニー金)をはじめ多くの選手を育てた。交流は約20年に及びこの間、自然の起伏を生かした「天城クロスカントリーパーク」(02年度完成)の設計・監修をはじめ、町総合運動公園陸上競技場(全天候型トラック)整備などにも助言。スポーツ合宿のメッカのハード面の基礎づくりにも貢献した。
天城町は一昨年11月、「スポーツ合宿日本一の島」の構築に貢献したとして、夫人ら遺族や全日本実業団陸上の関係者らも迎え「故小出義雄監督を偲ぶ会」も開いた。功績を永遠に顕彰するクロスカントリーパーク名称変更は昨年12月町議会で条例改正を可決。メモリアルパーク記念碑の建立は、町制施行60周年の年の記念事業の第一弾に計画。地場産の琉球石灰岩製(高さ115㌢、幅270㌢)に遺影と功績の銘板を組み合わせ、同パーク入口に据えた。
除幕式には、約20年前に契約トレーナーとして小出監督とともに来島、高橋尚子選手らも支えた現・日本郵政グループの高橋監督(51)をはじめ、小出氏の佐倉アスリート倶楽部時代の教え子(現在ユニバーサルエンターテインメントアスリートクラブ陸上部員)たちも合宿の合間に参加した。
黙とうして冥福を祈った後、森田弘光町長は「小出監督のご功績を永遠に顕彰。新生メモリアルクロスカントリーパークが、これまで以上にアスリートの皆さんに愛され活用を」と期待。高橋監督は「郵政グループ(創部8年)の優勝もすべて徳之島合宿のおかげ。東京五輪やクイーンズ駅伝3連覇を目指し、今年もこの地からスタートします」。そろって除幕のロープを引いた。