知事定例会見 2月下旬めど医療従事者から

ワクチン接種 離島も「スムーズに進めたい」

 塩田康一知事は15日、県庁で定例記者会見を行った。新型コロナウイルス感染症対策で県内でのワクチン接種時期について知事は「2月下旬をめどに、その方向で準備を進めている」と述べ、優先順位をつけまずは医療従事者を対象にしていくとした。

 国内でのワクチン接種について、菅首相は2月下旬にワクチンの接種をスタートさせると発表している。鹿児島県内の接種開始の見通しの質問に知事は「政府の方から、『2月下旬あたりからワクチン接種が開始できるよう準備を各地方で行うように』との指示をいただいている。県としても実施主体の市町村、医師会とも連携しながら協力をお願いし、実施できるよう準備を進めている」と述べた。まずは医療従事者だが、それ以外の一般については「3月か4月か、そこまで見通しは立っていない」。また、離島での接種については「住民にしっかりワクチンが届くよう、他と差異がないようスムーズに進めたい」との発言があった。

 全国的に急速に感染が拡大し、県内でも感染者が増えているが、知事は警戒基準(現在ステージ2)について「ステージ3に非常に近づきつつある」とし、引き上げる判断については「いろんな指標があり、それを見て総合的に判断するが、重視する一つが医療のひっ迫度合いを示す病床の占有率(一般・重症用)、感染者数が人口10万人当たりどの程度か」を挙げ、現状(病床占有率3割程度、重症者の病床占有率7~8%、人口10万人当たり感染者数10~11人)から引き上げ、さらに独自の緊急事態宣言を出す状況ではないとした。

 一方で知事は「ステージ3への引き上げは感染の勢いなども判断したい」と述べ、「鹿児島県も感染リスクは非常に高くなっており、感染経路不明の割合が4分の1くらいになっている。いつ、どこで感染するかわからないだけに、県民一人ひとりが注意することが重要」と強調した。

 さつま町の養鶏場で毒性の強い高病原性鳥インフルエンザが発生したが、知事は「24時間以内の殺処分、72時間以内の防疫措置とも完了した。県内では10年ぶりの発生で、なんとか1件で封じ込めたい」と説明。排出・移動制限、約3万2千羽のニワトリの殺処分により流通への影響、さらに風評被害も懸念されるが、知事は「できるだけ最小限になるよう県として支援していきたい」と述べた。