文楽「俊寛」、喜界島で

CFを始めた文楽公演「千年を超え今よみがえる喜界島の俊寛」プロジェクト(CAMPFIREのHPより)

大名跡・豊竹若太夫らが公演
つなぐ会 CFで資金募る

 喜界島に文楽をつなぐ会(吉田照倫代表)が主催する文楽公演「千年を超え今よみがえる喜界島の俊寛」が7月6日、同町公民館で開かれる。太夫を文楽の大名跡・豊竹若太夫、三味線を鶴澤清介、人形を吉田玉男(人間国宝)と、文楽界を代表する3人が担当する。現在、公演に向けたクラウドファンディング(CF)で資金を募っており、担当者は「史上初の俊寛の文楽奉納も行う。島の人が文楽を楽しむ道標になれば」と支援を呼び掛けている。5月末まで。

 俊寛は、平家打倒を謀ったとして流刑を受け、同地で亡くなったとされる平安時代後期の僧都。諸説あるものの、平家物語に登場する俊寛は、今でも文楽や歌舞伎の花形として演じ続けられている。

 発端は京都芸大元教授の藤本英子さんの来島。俊寛像と傍らでの人骨発見を知った藤本さんが「喜界島と俊寛を発信したい」と各方面に相談したところ、文楽界の大名跡・竹若太夫の耳まで届いた。

 奄美群島の同文楽公演は初めて。当日は、午前中に子ども向けの歴史や文楽に関するワークショップが行われるほか、公民館での上演前には、俊寛像の前で文楽「俊寛」が奉納される。夜には島民らを招いた懇親会も予定している。

 CF目標額は327万6千円。主演者の旅費や広報などに充てる。リターンは、ユーチューブで動画を生配信する視聴権(5千円)など4種類を用意。広報を担当する岡田和彦さんは「純粋な思いから始まった企画。島の人にも文楽との交流を楽しんでほしい」と話す。

 支援は国内最大級のCFサイト「CAMPFIRE」で受け付けている。