北高2年生 専門分野フィールドワーク

徳田院長(左)にインタビューを行う川上さん(中央)と川原さん

「生活のなかに医療がある」「看取りのイメージ明るく穏やかなものに」
ファミリークリニックネリヤで在宅医療を聞く

 奄美市笠利町の大島北高校の生徒2人(川上寛斎さん、川原つづみさん=2年生)は3日、同市名瀬和光町のファミリークリニックネリヤへ出向き、徳田英弘院長にインタビューを行った。総合的な探求の時間の一環。地域医療・福祉のなかでも在宅医療に着目した川上さんらは、徳田院長に熱心に質問し、専門分野に理解を深めた。

 同校の2年生(44人)は、昨年4月から地域医療・福祉や農業、世界自然遺産など、五つの分野から関心のあるものを選んで、調べ学習やアンケート調査を行ってきた。地域医療・福祉の分野はさらに医療・看護・保育に分かれ、2人は医療を選択。夏季休暇中に奄美の医療施設約20件に実施したアンケート結果を集計した上で、在宅医療に関心をもったという。

 同クリニックは在宅医療、脳神経内科、家庭医療を専門とする。生徒らは、徳田院長が在宅医療に着目した理由や、調べ学習などで感じた疑問点などを次々と質問。徳田院長は医療の歴史や国際状況を説明しながら「多くの人が最期の瞬間まで自宅で穏やかに暮らすことを望んでおり、それは自然なこと。医療の原点を顧みて、本人と家族にとっての最善策を考えることが大切」などと話した。また、実際に在宅医療(在宅ケア)を受けた人や、自宅で最期を迎えた患者の例を画像や動画で紹介。「(本人も家族も)別れは辛いけれど、死はこわくない。事前の心づもりがあれば、心残りは少ない」と伝えた。

 インタビューを終えた生徒らは、「在宅医療は生活を成り立たせるためだと思っていた。話を聞いて、生活のなかに医療があることに気付いた」(川上さん)、「笑顔いっぱいの動画や画像見て、看取りのイメージが明るく穏やかなものに変わった」(川原さん)とそれぞれ話し、さらに学びを深める意欲を見せていた。