菊次郎翁生誕160年祭

「西郷菊次郎翁生誕160年祭」。創作紙芝居「菊次郎物語」を披露する志塾・西郷塾メンバー2人(左側)の朗読に聞き入る参加者

ダンスを披露した「菊次郎ミュージカル」メンバー

誕生地で遺徳しのぶ
龍郷町龍郷小浜 90人集いにぎやかに
紙芝居、ミュージカルダンス、バンド演奏

 「にぎやかに生誕祭開催」―。龍郷生まれで名誉町民の「西郷菊次郎翁生誕160年祭」(志塾・西郷塾主催、龍郷町後援)が13日、龍郷町龍郷小浜地区にある生誕の地(龍家本家屋敷跡)で行われた。関係者90人以上が集い、誕生の地で菊次郎翁の遺徳をしのび、功績をたたえた。新型コロナウイルス感染症の影響で来島できなかった子孫ら関係者4氏からのメッセージが披露され、創作紙芝居「菊次郎物語」の披露があったほか、今年8月に公演計画している「菊次郎ミュージカル」メンバー22人によるダンス、「GO!GO?たつGOバンド」による演奏を奉納した。

 志塾・西郷塾の久保明雄塾長は開会あいさつで「菊次郎翁の生誕160年目のお祝いができることをうれしく思う。西郷隆盛翁、その子孫の功績によって奄美大島、龍郷町のことが全国に知れ渡るようになったと感じている。龍郷の誉れである菊次郎翁の功績を今後も語り継いでいきたい」などと述べた。

 志塾・西郷塾メンバー2人が菊次郎翁をたたえる創作紙芝居「菊次郎物語」を披露。龍郷で生まれた後、9歳で鹿児島の西郷本家に引き取られ、12歳でアメリカへ留学。17歳で西南戦争に参加して右足下を切断。その後、台湾宜蘭庁長、京都市長、永野金山鉱業館長になり活躍し、68歳で亡くなるまでの生涯を紹介した。「父親からは『敬天愛人』の精神、母親からはスットゴレ精神を学び、困難に負けることなく生きた」などと紹介した。

 県大島支庁の田中完支庁長、龍郷町の竹田泰典町長、前田豊成議会議長が祝辞を述べた。

 続いて、西郷隆文氏(西郷隆盛奉賛会会長・菊次郎翁の孫)、黒田敏隆氏(さつま町菊次郎顕彰会)、原口泉氏(志学館大学教授)、島津典子氏(菊次郎翁のひ孫)のメッセージを披露した。子孫の2氏は「祖父・菊次郎のことを誇りに思う。生誕160年祭を行ってもらい、西郷隆盛も喜んでいると思う」(西郷隆文氏)、「生誕地での開催。身内として龍郷町の人々に深く感謝したい」(島津典子氏)―などと感謝のメッセージを寄せた。

 小・中・高校生で構成している「菊次郎ミュージカル」メンバーは、テーマ曲に合わせて息の合ったダンスを披露。終了後にあいさつした隈元莉緒奈さん(高校2年)は「8月の舞台では、今日より成長した私たちを見せることができると思う」と決意を述べた。