確定申告スタート

確定申告がスタート、申告手続きを行う市民ら(奄美市名瀬の大島税務署)

e―Tax利用呼び掛け
新型コロナで期間延長、4月15日まで

 2020年分の所得税の確定申告が17日、全国の税務署などで一斉にスタートした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国税庁は申告期限を4月15日まで延長、スマートフォンなどを使った電子申告「e―Tax」の利用を呼び掛けている。また、各税務署の受付会場では、来場者に「入場整理券」を配布し人数制限するなど、感染対策に取り組んでいる。奄美市名瀬の大島税務署でも同日、申告に訪れた住民らが入り口で検温とアルコール消毒を受けた後、庁舎4階に設置された特設会場で、係員の説明を受けながら手続きを済ませた。

 確定申告は、前年の1月1日から12月31日までの1年間に得た所得を計算し、納税額を確定、所轄の税務署に申告する手続き。個人で事業を営む人やフリーランスの人は原則、申告する必要がある。 

 申告は例年、3月15日までとなっているが、今年は新型コロナの影響から、期間中の混雑緩和のため期限を1カ月間延長、感染リスクの軽減を図っている。

 入場整理券は、当日に会場で配るほか、対話アプリ「LINE(ライン)」で事前(2日前~10日前)発行も可能で、30分間隔で予約できる。予約状況は国税庁のホームページで確認できる。

 国税庁はスマホなどでの「e―Tax」の利用も呼び掛けている。同庁のサイトでは、指示通り入力すれば、確定申告書を作成できるようになっており、専用アプリを読み込んだスマホにマイナンバーカードをかざし、本人確認するなどして申告する。マイナンバーカードがない場合は、事前に税務署で本人確認のIDとパスワードを取得した上で、インタネット経由で申告できる。

 申告書の作成などで分からないことがある場合は、人工知能(AI)を使った「税務相談チャットボット」が答えるシステムもあり、大島税務署総務課は「感染予防のため、電子申告の協力をお願いしたい。申告期限が迫ると、会場の混雑も予想されるので、来場する場合は早めに準備してもらいたい」と話している。申告に関する電話相談センターも開設しており、同税務署(電話0997―52―4321)に電話し、音声案内「0番」でつながる。

 大島税務署以外の奄美群島各地の申告相談会場では、入場整理券の配布などは行っていないため、例年通りの対応となっている。奄美各地の相談会場の日程は次の通り。

 【大島税務署】▽2月16日~4月15日、午前9時~午後4時。(土、日、祝日を除く)

 【知名町民体育館】▽同17日午前9時~午後4時▽同18日午前9時~正午

 【徳之島町生涯学習センター】▽同24日午後1時~同4時▽25日午前9時~午後4時▽26日午前9時~正午

 【喜界町役場】▽3月1日午前10時~午後4時

 【与論町役場】▽同3日、4日午前9時~午後4時▽同5日午前9時~午後4時