手すき和紙で卒業証書

安田さんのアドバイスを受けながら手すきで卒業証書を作る好華さんら名音小児童たち

大和村名音小 伝統の手すきで

 大和村の名音小学校(福和人校長、児童14人)は16日、恒例「手すき和紙による卒業証書づくり」を同校で開いた。龍郷町・花ろまん染物工房の安田謙志さん(70)が講師。児童たちは、親子で伝統の技法を学びながら、一枚しかない卒業証書を作った。

 卒業証書作りは、20年以上前から続く同校の恒例イベント。唯一の6年生・重田好華さんは卒業証書を、その他の児童は、はがきを学校を訪問した親子で一緒に作った。

 安田さんは「いろいろな体験をすることが大事。工夫と知恵で名音小ならではの作品を作ろう。一緒に頑張りましょう」とあいさつ。和紙の材料には白く仕上がるコウゾ(楮)を原料とした。

 好華さんは、水で溶いたコウゾを型枠の網でゆっくりすくうなど慎重に作業。乾燥用の板のしわができないように移して、水分を丁寧に何度も拭き取った。

 はがき組の児童たちも、はがき大の和紙を手すきで作り、保護者や教職員がアイロンで紙を乾かし、児童たちはサクラの花びらなどをデコレーションして完成させた。

 好華さんは「ためすき作業が難しかったが、出来上がりが楽しみ。修学旅行がいい思い出」と喜んだ。

 卒業証書は安田さんが浄書・額装で仕上げ、来月24日の卒業式に手渡される。