大島、10年ぶりCクラスV

10年ぶりとなるCクラス優勝を勝ち取った大島チームのメンバーら=みなと大通公園

県下一周最終日 総合8位、日間5位
前回より17分22秒タイム縮め躍進賞獲得

 【鹿児島】第68回県下一周市郡対抗駅伝大会最終日は17日、根占中下から鹿児島市役所までの11区間113・4㌔で争われた。大島は6時間14分51秒で日間5位。5日間の累計は32時間8分59秒で総合8位となり、10年ぶりにCクラス優勝を勝ち取った。

 1区・富永(鹿実高)が4位と好スタート。2区・賀来(鹿城西高)は区間2位の力走で首位に立ち、4区まではトップを走った。5区以降順位を落とし、7位まで順位を下げたが、10区・徳丸(鹿実高)が区間2位で5位に浮上。5日間で最高順位の5位で、アンカー吉主将(奄美信用組合)がゴールした。前回大会よりタイムを17分22秒縮め、躍進賞も獲得した。

 日間優勝は姶良。日置が49年ぶりとなる総合優勝を果たし、以下、鹿児島、姶良と続いた。Bクラスは川辺が制した。

 第5日の結果は次の通り。

 【総合】①日置31時間14分49秒②鹿児島31時間18分15秒③姶良31時間23分26秒④川辺31時間30分00秒⑤川薩31時間32分37秒⑥肝属31時間38分57秒⑦出水31時間39分31秒⑧大島32時間08分59秒⑨曽於32時間10分25秒⑩指宿32時間28分42秒⑪熊毛32時間56分02秒⑫伊佐33時間08分52秒

 【区間】▽1区(10㌔コース)①弓削(鹿児島)32分16秒②石丸(出水)32分16秒③富永(大島)32分25秒▽2区(9・1㌔コース)①高尾(姶良)30分24秒②賀来(大島)30分32秒③徳田(川薩)30分41秒▽3区(11・6㌔コース)①永谷(姶良)40分40秒①吉村(曽於)40分40秒③下醉尾(川薩)40分56秒⑧岸田賢(大島)41分13秒▽4区(10・0㌔コース)①中村(日置)33分42秒②鳥越(姶良)34分04秒③石井(川薩)34分12秒③川上(大島)34分12秒▽5区(12・・4㌔コース)①柴田(鹿児島)38分42秒②サレー(姶良)38分53秒③川口(日置)38分54秒⑦豊藏(大島)40分27秒▽6区(8・7㌔コース)①内(川薩)27分22秒②下前拓(川辺)27分39秒②東(日置)27分39秒⑧神田(大島)28分24秒▽7区(8・6㌔コース)①小川(川薩)27分33秒②樗木(姶良)27分41秒③雪丸雄(川辺)27分42秒⑤上原(大島)27分54秒▽8区(8・7㌔コース)①東福(鹿児島)28分40秒②立元(姶良)28分51秒③松本(出水)28分57秒⑩西島(大島)30分15秒▽9区(11・2㌔コース)①末満(姶良)35分49秒②田ノ上(出水)35分51秒③狩集(鹿児島)35分58秒⑩石峯穂(大島)37分38秒▽10区(14・8㌔コース)①飛松(日置)44分02秒②徳丸(大島)44分38秒③中村高(姶良)44分43秒▽11区(8・3㌔コース)①中島(姶良)26分26秒②川内田(熊毛)26分28秒③清藤(鹿児島)26分34秒⑨吉(大島)27分13秒

チーム一丸で全目標達成 大島

 アンカー・吉隆之輔主将(奄美信用組合)は5日間53区間をつないだタスキを左手で握りしめ、右手は力強く拳を握ってゴールテープを切った=写真=。「走った21人だけでなく、チームに関わった全員一丸で勝ち取った」想いを込めてゴールを駆け抜けた。

 Cクラス優勝、総合8位でBクラス入り、全チームの中で前回大会よりも一番タイムを縮めた躍進賞獲得、掲げた目標を全て達成した。一番の要因は「徳丸(鹿実高)、中田(鹿城西高)、高校生2本柱が原動力になった」(川元英経監督)。徳丸は初日3区で区間新の2位、3日目3区で区間賞、最終日10区は各チームが社会人エース級をそろえた中で区間2位と高校生NO1ランナーの実力を遺憾なく発揮した。中田は初日2区で区間新の2位、2日目1区で区賞だった。

 2本柱の活躍に触発され、富永(鹿実高)、川上(樟南高)、冨(鹿城西高)らも区間上位の走りで順位を押し上げた。2、3日目、最終日のレースでは一時首位に立ったこともあった。  初日1区が最下位スタート、日間10位と振るわなかったが「1本目ダメでも、2、3本目でしっかり走ってくれた」(川元監督)。登山幸一(奄美信用組合)は初日の5区が8位。「前との差が開いていて不甲斐ない走りをしてしまった」のを反省し、4日目1区は4位と好走した。亀割峠の難所を初めて任された責任を胸に、何より「日頃一緒に練習している喜界の中、高校生に、頑張れば結果が出せることを示したかった」意気込みを体現した。

 地元の社会人選手たちは10月以降、本土の記録会に積極的に参加するなどレベルアップに励んだ。昨年は最終日以外日間10位以下の順位だったが、今大会は2日目以降が日間1桁、区間順位も9位以内でまとめた選手が多く、全体のレベルアップを示した。今大会はコロナ対策で宿も分散して宿泊し、5日間チーム全員がそろうこともなかったが、ラインなどで連絡を密にとり、レースの模様をインスタグラムで発信するなど工夫を凝らした。「今まで以上に団結できたレースだった」と??主将は振り返った。

 10年ぶりに目標達成した大島の次なる目標は「Bクラス定着」(川元監督)。社会人を中心により一層個々のレベルアップが求められる難しいミッションだが、吉主将は「今大会の経験でみんなのモチベーションも上がった。来年も更なる上位を目指したい」と意欲を燃やしていた。

(政純一郎)