亀津中央線 道路改築を本格化

長年、危険性が指摘され続けてきた亀津中央通り線改築工事(亀津工区)=徳之島町

主要道路ながら劣悪状態が続いた=2018年9月30日午前6時半(台風被害、通行止め規制前)

徳之島町 危険、劣悪交通インフラ改善へ

 【徳之島】徳之島町は、亀津市街地と亀徳以北を結ぶ通勤通学の主要道路でありながら片側に崖(高さ約29メートル)が切り立ち、台風や大雨時には通行止めを繰り返してきた町道亀津中央線の安全確保への改築工事を本格化させている。県道から町道に移管後も約35年以上指摘されてきた。地権者間の境界確定など地籍調査の遅れが影響したという。

 同町道亀津中央線改築事業(亀津工区)の計画区間は、亀津のファミリーマート亀津北店前付近―亀徳以北を結ぶ県道伊仙亀津徳之島空港線の交差点(亀津北口交差点)までの延長約280メートル。現道の幅員は5~6メートル。往来車両は1日約1000台。亀徳小校区(集落)から亀津中や徳之島高への通学路にもなっている。

 町側も事業概要(目的)の中で「片側が崖であり、大雨時には滝のように大量の水が流れてきて通行止めに。道路整備の現道拡張・排水・法(のり)面保護により、通勤通学の安全確保と交通の円滑化が図られ、通行車両・歩行者の安全が確保される」と現状を明記している。

 社会資本整備総合交付金事業(国)の採択により、設計業務委託などを含め2019年度に改築事業に着手。全体計画のうち延長約80メートル区間改築工事(2年継続)を昨年発注。具体的には、町道に山手側からせり出し直立した崖の露頭岩盤の後背地(民有地)が軟弱地盤のため、掘削した斜面はアンカー工法で補強する。並行して現道を海側(町営・大船住宅敷地=町有地)に拡幅し、道路幅員8メートル(うち新設歩道1・5メートル)を確保する。

 町当局(建設課)は、改築事業の実現にこれまで費やした歳月について、崖地側(民有地5筆・関係地権者約10人)の境界確定などの遅れが用地買収にも影響。全体計画(総事業費見込み約3億5千万円)の完成見込みは「補助予算の確保にもよるが5、6年後。通勤通学の安全確保と交通の円滑化のためにも早期完成を目指したい」としている。