水のアーチで勇気・希望を

午後2時、大島地区消防組合瀬戸内消防分署所属の救急艇「おおとり」から全国一斉放水を行う隊員たち

コロナ禍にエール 瀬戸内消防分署ら
消防艇が全国で一斉放水

 新型コロナウイルスと闘うすべての人にエールを贈る応援イベント「消防艇全国一斉放水」が消防記念日の7日、全国各地であった。16都府県23消防本部所属の消防艇が同時刻に一斉放水。瀬戸内町の古仁屋港沖では救急艇「おおとり」などが出動し、船乗り火消しらが全国に〝勇気と希望〟を届けようと、海上に華やかな水のアーチを描いた。

 消防艇の全国一斉放水は初の試み。春の火災予防運動の一環として、兵庫県の神戸市消防局が企画した。

 発端は、同局の水上消防署が昨年に実施した定期放水が好評だったことから、「合同でコロナ禍にエールを」との趣旨で、消防艇所有の全国消防本部に呼び掛け。奄美からは、大島地区消防組合瀬戸内消防分署が名乗りを挙げ、古仁屋海上保安署、海上自衛隊奄美基地分遣隊も協力を申し出た。

 午後2時、救急艇「おおとり」、巡視艇「いそなみ」、交通船3隻から汽笛が鳴り響くと一斉に放水が開始。医療従事者への応援として一部はブルーカラーに染められ、青空に鮮やかな弧を約5分間描き続けた。

 救急艇「おおとり」には同分署の高木康介船長、伊藤之浩船長、元啓大船長代理の3人が乗船。放水を終え「コロナと闘う気持ちを1人でも多くに人に伝えることができれば」と笑顔で話した。

 家族で観賞に訪れた古仁屋中学3年の久野颯斗くんは「きれいだった。コロナが収束し、みんながマスクをはずして笑顔で話せる日が早くきてほしい」と願った。