徳之島町 地域おこし協力隊など活動報告会

地域おこし協力隊・集落支援員の活動報告や提言を聴き交流=30日、徳之島町

自然体験・環境教育に「圧倒的な人材不足」提言も

 【徳之島】徳之島町地域おこし協力隊・町集落支援員活動報告会(町主催)が30日、同町役場であった。任期満了による退任および任期中の5人が、島の活性化やふるさと留学、環境教育、島コーディネート、集落支援など成果や活動状況を町当局や町議会側に発表。自然体験・環境教育分野の「圧倒的な人材不足」対策など〝活動現場〟からの貴重な提言が寄せられた。

 町議会側からの要望に基づいて初開催。高岡秀規町長は任期満了者(3人)をねぎらいながら「(高齢社会へ)生産人口・雇用をいかに創り上げるかが課題。地域おこし協力隊と集落支援員には新たな魅力ある雇用、地域おこしの具現化にも期待します」とあいさつ。次ぐステージにエールを送った。

 発表者と発表題。地域おこし協力隊は任期満了(3年間)で一区切りつける▽川口明さん(44)=熊本県出身=が「徳之島町北部を中心とした島の活性化」▽川口裕美子さん(37)=山口県同=が「地域おこし協力隊の任期を終えて~手々地区ふるさと留学センター館長としての3年間」。2年間の▽鈴木廣志さん(67)=東京都同、元鹿児島大水産学部教授=が「河川を学習の場とした環境教育」。任期中の▽福本慶太さん(27)=天城町同=が「地域の伴奏者としてのコーディネーター」。町集落支援員の▽林美樹さん(39)=徳之島町同=「同支援員活動報告」でそれぞれ発表した。

 川口明さんは、少子高齢化・過疎化対策が進む町北部地域の活性化に伝統文化や芸能継承の支援、自然体験イベントの企画・講師などに取り組んだ。自然体験・環境教育活動に関する今後の課題に「圧倒的な人材不足」対策も提言。今後の活動として児童生徒たちの総合的な探求活動、体験型観光、提案型事業の企画・運営など次ぐステージに意欲を示した。

 川口裕美子さんは手々小中学校の在籍者数は3年後、ふるさと留学センター生だけになる可能性を懸念。特認校や家族留学制度、クラウドファンディングや企業支援金を活用した留学家族用の住居の確保なども提言した。鈴木さんは「専門教育員」も兼ねた児童生徒への環境学習を通じ、世界自然遺産登録にも備えた資料収集、課外授業支援体制の核となる「指導コーディネートグループ」の構築も提言した。