危険空き家の除去推進

朝山市長から空き家等対策協議会の委嘱状を受け取る委員ら

5カ年計画承認 適正管理で定住促進に利活用
空き家等対策協第1回会合

 空き家対策計画の作成と実施に関する協議を行う「奄美市空き家等対策協議会」(伊集院平應会長、11人)の第1回会合が30日、市役所であり、同市が作成した空き家等対策計画案を承認した。計画は2021年度~25年度までの5カ年計画で、同協議会は今後、「空家等対策の推進に関する特別措置法」や市条例に基づき、空き家対策を推進する。

 同計画は、適正な管理が行われず、放置すれば倒壊などの恐れがある危険な空き家などについて、特措法に基づき「特定空き家」と判断、対策を行うことなどを目的としており、特定空き家の「措置対応」「予防」「活用」を基本指針とし、増加する空き家の適正管理と定住促進などへの利活用を目指す。

 同協議会は同市、県建築士会、県司法書士会、弁護士、大島地区消防組合、名瀬、住用、笠利3地区の各代表らで組織。主な活動として、特定空き家の判断と、所有者などに対し除去などの勧告、命令、行政代執行を実施するかなどを判断する。

 会合では、委員から地域内の危険空き家の除去を期待する意見があがった一方、個人資産である家屋を「特定空き家」とすることや、税金を使った除去などに、慎重な判断を求める意見があった。

 同市は昨年度、市内の空き家の実態調査を実施。1019戸の空き家を確認しており、うち383戸は老朽化により周囲に危険を及ぼす可能性があると判断された。空き家の中には、所有者が確認できないものも少なくなく、危険な空き家の除去などを求める市民の声も多いという。一方、利活用可能な空き家も225戸あり、定住促進に向けた活用も課題となっている。

 市は現在、実態調査を踏まえ、空き家の所在地や現状、所有者などの情報を一元管理できるデータベース化を進めており、所有者の意向などを把握した上で、適正管理に向けた情報整理を行う方針を示している。

 また、新年度から新たに「危険空き家等除却助成金」を創設、市が危険空き家と判断した場合、家屋の撤去費用の三分の一(上限30万円)を助成することにしており、新年度予算に5軒分の助成費150万円を計上している。