「お家で奄美デジタル博物館事業」制作発表

「お家で奄美デジタル博物館事業」制作発表の様子=奄美市立奄美博物館=

奄美の情報世界中に発信

 奄美市教育委員会文化財課(久伸博課長)は30日、奄美市立博物館企画展示室で「お家で奄美デジタル博物館事業」の制作発表を行った。同事業は奄美市新型コロナウイルス感染症緊急対策事業の一つ。同博物館が収集した自然・文化・歴史的遺産のデータを奄美市内在住のクリエイターの手によってデジタルコンテンツにまとめ、世界中どこにいてもアクセスできるようにするもの。観光客がより奄美大島に興味を持ち、理解を深め、長く滞在することを促すのが目的。

 同制作発表に出席したのは、㈱エアポートTVネットワークジャパンの浜田太代表取締役、作曲家の村松健さん、アーマイナープロジェクトの麓憲吾代表取締役、アビコムデザイン合同会社の迫田真吾代表、及び奄美市立博物館職員。

 制作発表ではまず自然分野の「365日24時間眠らない奄美大島を365日24時間発信する高精細映像制作事業」で制作された奄美大島の大自然の映像が披露された。奄美大島を秋・冬・昼・夜の四つの視点から4Kカメラを用いて撮影。ダイナミックで美しい映像を公開した。

 歴史分野では「国史跡・国重文『小湊フワガネク遺跡』の魅力を発信する高精細映像制作事業」として奄美市小湊集落にある同遺跡を上空から4Kカメラ搭載のドローンで撮影。実際に現地を歩いているかのようなストリートビュー映像も制作した。

 文化分野では「奄美学講座公開発信事業」としてあまみエフエムディ!ウェイブと奄美博物館が共同で動画を制作。パーソナリティと奄美博物館学芸員が奄美大島の基礎知識を分かりやすく動画で解説する様子を公開した。

 最後に「奄美遺産ホームページ制作事業」として同博物館に蓄積された文化財の情報をまとめたWebサイトを公開。同日発表された映像コンテンツなどは全て同ホームページで公開され、奄美大島の観光の入り口的役割を果たす。

 久課長は「新しい時代の新しい博物館をつくり、奄美大島の情報を世界に発信していきたい」とあいさつした。

 制作発表会に参加した小湊集落の栄嘉弘区長は「遺跡は定期的に集落の住民が整備し大事にしている。今回上空から遺跡を見て、とてもきれいでびっくりした。世界中の人に小湊の遺跡を見てもらいたい」とにこやかに話した。