クイーンコーラルプラスの御船印
マルエーフェリーの御船印
神社仏閣でもらえる御朱印の船バージョン「御船印(ごせんいん)」のプロジェクトが、国内の船会社で4月から始まった。鹿児島と奄美の各離島、沖縄を結ぶ航路を運航するマリックスラインとマルエーフェリーの2社も同プロジェクトに参加、オリジナルの「御船印」を発行、販売する。新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で、旅行需要が落ち込む中、旅客獲得や航路地域の経済活性化などが期待される。
同プロジェクトには、北海道から鹿児島までの全国46社が参加。船舶や航路ごとに、プリント版、スタンプ版、手書きなど、それぞれ異なる御船印を発行し、港や船内などで販売。御船印を集めるための公式船印帳(税込1980円)も同時発売する。
また、多くの地域や船舶に乗船した人を顕彰する「御船印マスター制度」を設け、集めた御船印の数などに応じて、希望者に「一等航海士」や「船長」などの認定証を有料発行。夏には公式ガイドブックも発売する計画だ。
マリックスラインは、「クイーンコーラルプラス」と「クイーンコーラル8」の2種類(各税込330円)を各船内で販売、マルエーフェリーは1種類を「フェリー波之上」「フェリーあけぼの」の船内で販売する。発売開始はマリックスラインが4日から、マルエーフェリーは4月中旬からとなっている。
同プロジェクトの運営事務局によると、この取り組みは2019年に日本旅客船協会の「船旅アンバサダー」に就任した作家・ライターの小林希さんの提案により企画されたもので、今後も順次、参加する船舶会社を増やしていくことにしており、旅行会社と連携したツアーも展開していく。
マリックスラインとマルエーフェリーの広報担当者は「新たな国内旅行のスタイルとして、船でつなぐ日本の旅を楽しんでほしい」、「奄美の離島を訪れる観光客が増えることで、地域振興に貢献できれば」などと話している。