大和村で集団接種開始

新型コロナのワクチンを接種する大和村の高齢者ら(集団接種会場の村体育館)

高齢者のワクチン接種
65歳以上100人が受ける「接種できて安心した」

 大和村は16日、65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの集団接種を開始した。会場となった村体育館には高齢者らが続々と集まり、医師らの問診を受けた後、ワクチンを接種した。100人が接種を受け、体調不良などを訴える人はいなかった。同村は18日まで集団接種を実施、その後は国民健康保険大和診療所での個別接種や在宅介護者の巡回接種などを行う予定。同村は、対象者約640人の約8割に当たる約500人の接種を目指しており、5月7日~9日に2回目を予定している。

 同村は高齢化率約40%と高いことなどから、国の先進的な取り組み事例として、優先的なワクチン配分が決定。12日から同村の特別養護老人ホーム「大和の園」の入所者を対象に、県内でもいち早くワクチン接種が行われていた。16日はその他の高齢者を対象とした集団接種の初日で、津名久、名音の両集落の127人を対象に行った。

 この日は、開始予定の午後1時前から多くの高齢者が会場を訪れたため、予定より約20分早く受付を開始した。入口で検温と受付を済ませた住民が、会場内に等間隔で並んだイスに腰掛けると、医師や看護師が移動しながら一人ひとりを問診、次々と接種を行っていった。

 同村津名久集落の永田世史さん(83)は「早く打ってもらって良かった。注射はそれほど痛くなかった」と話し、同集落の伊集院哲三さん(87)は「東京などで感染が広がっているので心配していたが、ワクチン接種できて安心した」と笑顔。同集落の森永茂子さん(79)も「会場に来るまでは不安もあったが、お医者さんや看護師さんの話を聞いて安心して受けることができた。こんなに早く接種できて感謝している」と話した。

 同診療所の小川信医師(46)は「高齢者の負担を減らすため、医師と看護師が移動しながら接種することにした。混乱なくスムーズにできて良かった。副反応などを心配する高齢者も多いが、感染による重症化のリスクの方が高い。できるだけ多くの人に接種してもらいたい」と話した。

 村保健福祉課の早川理恵課長(47)は「対象者の8割程度の接種を想定しており、今後、予防効果が出てくることを期待している。ただ、ワクチン接種したらすぐに感染を防げるわけではない。今後も感染防止対策を徹底してほしい」としている。