高校生ら若者の発想・行動力に期待。包括的連携を結んだ天城町と樟南二高の関係者=16日、同町役場
【徳之島】天城町(森田弘光町長)と樟南第二高校(同町天城、牧園弘光校長)の「包括的連携に関する協定書」の締結式が16日、同町役場であった。高校生らの若い発想力と行動力を生かし双方が協働し、活力ある地域の創出―などが目的。初年度は早速、工業科生徒たちが町内全14集落用の金属製「ごみ回収ボックス」製作などに取り組む。
全国離島唯一の全日制私立高である同校。普通・商業・工業の3学科合わせ235人が在籍。町を挙げた誘致で1966(昭和41)年4月に開校(当時は第二鹿児島商工高)して55年。今回あらためての連携協定のきっかけは、町が昨年11月、第6次町総合振興計画策定に向けて生徒代表らを招き初開催した「フレッシュトーク」。世界自然遺産取り組みやごみ問題、情報発信のあり方など若者視点の多くの意見が寄せられた。
包括的連携協定の主な事項は、「若い世代の発想力や行動力を生かし、活力あふれる地域社会の創出、誰もが幸せに暮らせるまちづくり」(要旨)への①教育および人材育成②地域振興③スポーツ・文化・芸術に関することなど。
まず、工業科生徒たちが町の支援で「ごみ回収ボックス」14基を製作して各集落に1基ずつ配布する。次年度以降は高齢者用のベンチ・テーブルなど木工製品、商業科は町PR用の動画や商品パッケージ、普通科はエコツアーガイドなどにも取り組む予定。
締結式には生徒代表2人も交え双方から計10人が出席。森田町長は次代を担う子どもたちへの支援、コロナ収束社会を見据え希望をつなぐ取り組みの重要性に触れながら「協定は子どもたちの新しいふるさと・心のふるさとづくりに」。牧園校長も「町との連携を心待ちにしていた。町と学校、地域の発展のために協力したい」。生徒会長で商業科3年生の中島郁斗さん(17)は「自分たちの満足感だけではなく、地域の人たちから『作ってくれて良かった』など声が聞けたらうれしい。PR動画やポスターなどで都会の人たちに紹介したい」などと話していた。