千匹の手作りこいのぼりが大遊泳

新川上空を優雅に泳ぐ手作りこいのぼり

飾りつけを終え、新川ふれあい館で地区住民ら

奄美市名瀬・新川
優雅な泳ぎで、コロナ禍に声援

 風薫る「こどもの日」を前に25日、奄美市名瀬の市街地を流れる新川の上空で手作りこいのぼり約1000匹の〝大遊泳〟が始まった。今年はコロナ禍と闘う医療従事者への声援も込めて、県立大島病院前まで掲げる場所を延長。優雅な泳ぎで人々の目を楽しませている。5月9日まで。

 新川ふれあい館運営協議会(當弘道会長)と奄美地区地域支え合い協議体(重井英二代表)が主催し、「新川遊泳大作戦」と銘打ち実施。掲揚は30年以上続く地区の風物詩で、今年はコロナ禍に元気を届けようと、橋や公民館にメッセージ入りの横断幕も掲げた。

 こいのぼりは、近隣の放課後児童クラブや保育所の子どもたち、福祉施設のデイサービス利用者らが手作りし、地元高校生と地域の子どもたちが作った4㍍の巨大なこいのぼりも。総数は例年の3倍を超える、約千匹。手作りや既製品を含め、36の団体や個人から寄せられた。

 この日は、メンバーや地区住民ら25人が朝から新川で飾りつけた。区間は上安勝橋から郡政府前橋まで。赤や青や緑、大小さまざまなコイが春風にそよいで泳ぎ出した。

 通りかかった家族連れは「明るい気持ちになれる」と橋の上で記念撮影。近くの子どもたちは「こいのぼりがたくさん」と、川に沿って駆けだす姿なども見られた。

 重井代表は「大勢の協力で、まずは設置ができたことに一安心」と胸をなでおろし、「ワクチン接種も始まりあと少しの辛抱。一人でも多くの人がこいのぼりを観て元気になってほしい」と話した。

 なお、例年開かれる「新川こどもまつり」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止した。