奄美市で初の聖火リレー

拍手で迎える市民らに手を振って応える最終ランナーの田代さん(奄美市役所前、午後0時40分)

トーチを手にそれぞれが走るコースに向かう奄美の聖火ランナーたち(奄美文化センター、午前11時15分)

東京五輪 18人のランナーそれぞれの思い込めつなぐ

 東京五輪の聖火リレーが27日、鹿児島県内でスタートした。奄美市でも初となる聖火リレーが行われ、18人のランナーが聖火をつないだ。同市名瀬市街地の2・9キロのコース沿道では、新型コロナウイルスの感染対策が求められる中、マスクを着用した市民らが拍手やチヂンをたたいて応援。ランナーは観覧者に手を振りながら、それぞれの思いを込めたトーチを手に、元気いっぱいに「奄美路」を駆け抜けた。聖火は28日まで県内14市町を巡り、計192人のランナーが走る予定。その後、沖縄県へと引き継がれ、7月までに国内47都道府県をリレーする。

 3月25日に福島県をスタートした聖火リレーは、約1カ月間で16府県を巡り、鹿児島県は17番目として、宮崎県からリレーされた。

 この日は、午前8時半ごろ志布志市を出発、鹿屋市を経て、午前11時40分ごろに奄美市へとリレーされた。スタート地点となった同市名瀬の奄美文化センターには、聖火を一目見ようと市民らが詰めかけ、そろいのユニフォームを身にまとった18人のランナーが姿を見せると、大きな拍手があがった。

 第一走者を務めた同市の田畑昴樹さん(13)は、トーチに聖火が灯されると、少し緊張した表情を見せながら、多くの観覧者が見守る中、スタート地点の奄美文化センターを出発した。

 各ランナーは、一人約200㍍のコースを聖火が灯ったトーチの重さをかみしめながら、ゆっくりと走行、次走者へとリレーしながら、同市のゴールとなる市役所を目指した。

 午後0時40分ごろ、最終ランナーの徳之島町、田代篤史さん(39)がゴールの市役所前に姿を見せると、沿道の市民から大きな拍手が上がり、田代さんも手を振って応えていた。

 沿道では、市職員や奄美署の署員、自衛隊員ら約200人が警備などを担当、ランナーや観覧者の安全確保などに当たった。マスク姿の観覧者に対し、市職員らが密にならないよう呼び掛ける姿も見られた。

 聖火はその後、南大隅町に引き継がれ、霧島、姶良の各市を経て、鹿児島市に到着。同市でセレブレーション(聖火到着式)が行われた。2日目の28日は、出水市をスタート、西之表、薩摩川内、日置、伊佐、南九州の各市を巡り、指宿市営陸上競技場にゴールする。