龍郷消防分署 戸口小で「BLS教育」開催

実際に119番に電話をかける児童=龍郷町立戸口小学校=


「学校におけるBLS教育」を受けた2年生の児童ら=龍郷町立戸口小学校=

「勇気出して一歩踏み出して」
119番通報の使い方など学ぶ

 大島地区消防組合龍郷消防分署は24日、龍郷町立戸口小学校(髙司聖保美=みほみ=校長・児童数35人)で「いのちを紡ぐプロジェクト~学校におけるBLS教育の導入~」を開催した。参加したのは、同小2年生の児童9人。児童らは同署森一郎救急係長(39)と中村雄大救急係(26)の話に熱心に耳を傾け、命の大切さや119番通報の使い方について学んだ。

 BLSとは Basic life supportの略で、胸骨圧迫や人工呼吸など、AED以外の特別な器具(モニターや点滴セットなど)を使用しないで行われる救命措置のこと。一次救命措置とも呼ばれる。同署によると、救命措置が1分遅れるごとに救命率(脳まで蘇生された社会復帰率)は約10%低下するという。国内において一般市民によるAEDを用いた心肺蘇生の実施率は4・9%と低く、実施率の向上が課題となっている。

 これを受けて、同署と龍郷町が連携し、2021年度から、町内の小学1年生~中学3年生までを対象に「学校におけるBLS教育」を導入。幼少期から段階的に命の尊さや結の精神など「心の教育」を取り入れ、誰もが自発的かつ積極的にAEDを用いた心肺蘇生を実施できる人材育成を行うことを目的としている。

 小学2年生のテーマは「大人に知らせる・119番通報」。児童らは、けがをしている人を見つけた時の対処法や、けがを防ぐ方法について学び、実際にスマートフォンから119番に電話をかけ、通報の練習をした。

 119番通報した松元颯斗=ふうと=くん(8)は「電話をするのは緊張した。(もしお友達がけがをしたら)119番に電話して助けてあげたい」と頼もしく語った。

 森さんは「公衆電話やスマホからも119番通報ができると伝えることで『自分があのとき行動していれば命が助けられたかもしれない』と後悔し苦しむ子を減らしたい」と話し、「一歩を踏み出し、手を差し伸べる子になってほしい。またこれからの時期、熱中症や川、海などの水難事故に気をつけて夏を楽しく過ごしてもらえたら」と呼びかけた。