2年連続で中止に

多くのチームが参加し盛り上がりを見せた2019年の「奄美まつり」舟こぎ競争

奄美5市町村夏祭り コロナ感染状況など考慮
時期ずらして「代替花火」検討も

 奄美市など奄美大島の5市町村は、新型コロナウイルスの島内での感染状況などを考慮し、夏の風物詩として毎年開催している夏祭りについて、すべて中止する方針であることが27日、分かった。昨年に続き、2年連続で島内のすべての夏祭りが中止されることなる。一方、花火大会について5市町村とも、年内の「代替花火大会」実施を目指す。開催時期などについては決まっておらず、奄美市は「新型コロナの感染状況やワクチン接種状況などを踏まえ、適切な実施時期を検討したい」としている。

 中止されるのは、奄美市の奄美まつり、三太郎まつり、あやまるまつり、大和村のひらとみ祭り、宇検村のやけうちどんと祭り、瀬戸内町のみなと祭り、龍郷町の龍郷ふるさと祭りの島内七つの夏祭り。

 宇検村は既に4月に実行委で中止を決定。奄美市は27日に奄美まつり協賛会(会長・朝山毅市長)を開き、同まつりの中止を決定、三太郎まつり、あやまるまつりも同様に中止する。瀬戸内町と龍郷町も現在、祭りの協賛会員に中止の書面決議を実施しており、近く正式決定する。大和村は6月に祭りを運営する村連合青年団の会議で中止を決定することにしている。

 奄美市などによると、4月29日に島内で初めてのクラスター(感染者集団)が発生したことから、同30日の「奄美大島新型コロナウイルス感染症対策本部」(本部長・朝山市長)の会議で、夏祭りの実施について5市町村で協議することを申し合わせ、その後の担当者会議で中止の方向性を確認したという。

 27日に奄美市役所であった奄美まつり協賛会総会では、会員から「感染状況などを考えるとやむを得ない」など中止に理解を示す意見が相次いだ。また、毎年島内各地から約190チーム、約1500人が参加する舟こぎ競争について、「2年連続で中止となり、今後、舟こぎ競争への参加意欲がなえないか心配。来年に向け、盛り上がりをつくれるよう取り組むことが必要」などの指摘もあった。

 花火大会については、「島民の慰労」や「医療従事者への感謝」、「世界自然遺産登録の祝賀」などの観点から実施を望む意見も多く、感染状況やワクチン接種の進ちょく状況を踏まえ、年内の「代替花火大会」の開催を検討することにした。5市町村が連携した実施なども含め、開催時期などについて今後、5市町村と島内関係団体との調整をはかることにしている。

 2年連続で夏祭りが中止となることについて、朝山市長は「残念だが、感染状況を考えると(開催は)難しい。来年以降、確実に行うためにも、まずは感染対策の徹底とワクチン接種を推進し、新型コロナの収束に全力で取り組みたい」などと語った。