2年ぶりに全国学力テスト

全国学力・学習調査に臨む児童ら(27日、奄美市名瀬小学校)

コロナ禍の学習影響も調査
群島内約1920人対象

 新型コロナウイルス感染拡大による一斉休校のため、2020年度の実施が見送られた「全国学力・学習調査」(全国学力テスト)が27日、2年ぶりにあった。小学校6年生と中学校3年生を対象として、文部科学省が実施。国語と算数・数学の学力を見るほか、コロナ禍の学習への影響や、休校中の学習環境なども調べる。結果は8月下旬に公表される予定。

 同調査は教育の機会均等と、その水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力・学習状況を把握分析、教育施策の成果と課題を検証し、改善を図る目的。毎年4月に実施、7月末に結果が公表されている。今年度はコロナ禍による学習の遅れが考慮され、時期を1カ月繰り下げた。

 県大島教育事務所によると、奄美群島では小学校70校約950人、中学校42校約970人が対象だった。

 奄美市の名瀬小学校(廣司正良校長、児童353人)の6年生(60人)らは、問題冊子が配られると、教師が伝える注意点を緊張の面持ちで聞き入っていた。廣司校長は「必要な授業時数は確保できており、コロナ禍による学習の遅れは現時点で感じていない」と話した。

 県教委の担当課は「県内はもちろん、休校日数の多かった他県の結果に、コロナによる学習の遅れが出るかどうか、公表をもとに分析したい」としている。

 同省によると、5月11日現在で、小学校 1万9167校、中学校9895校の計2万9062校、約208万人が参加。国立私立全体の参加率は 前回から増減なしの98・2%となった。

 全国学力テストの実施は13回目。国語と算数・数学は毎年、英語と理科は3年に1度行う。今年は英語と理科は行わなかった。