密防止 ドライブスルー形式で「こども食堂」開催

お弁当を手にする子どもたち=奄美市名瀬=

SDGs奄美主催
「子どもたちの幸福度に寄与したい」

 NPO法人SDGs奄美(西川雄一理事長)は29日、奄美大島信用金庫本店駐車場で「こども食堂ドライブスルー!」を開催した。パートナーシップ企業と協力して作った弁当100食と缶ジュースを、保護者とともに車で来場した子どもたちに無料で配布。新型コロナウイルス感染症対策として、密を防ぐため、ドライブスルー形式がとられた。子どもたちはおいしそうなお弁当を手に、顔をほころばせた。

 同法人は西川グループが企業として社会貢献をしていきたいとの思いのもと、昨年設立。特にSDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」に着目し、持続可能でよりよい社会を目指すため尽力している。

 同法人が「こども食堂」を開くのは2回目。前回は今年3月27日、奄美市笠利町の「くすだファーム」で子どもたちとカレー作りを行った。

 今回の「こども食堂」では、パートナーシップ企業である奄美ミート㈲と㈱西原商会が食材、㈱ヨシキが弁当箱等の資材を用意。ごっぱちグループが調理を担当し、沖縄UCCコーヒー㈱が缶ジュースと白米を提供した。

 同法人職員は、次々と訪れる来場者に弁当を手渡し、子どもたちは「お肉!」「ありがとうございます」などと言い、目を輝かせた。同日、100食あった弁当は全て配布され、弁当を手に入れられなかった子どもたちにはお菓子が配られた。

 奄美市名瀬在住の海老原寛樹さん(39)は「こども食堂」の開催をSNSで知り、PTAで一緒に活動している東=あずま=則仁さん(49)を誘い同日午前10時ぴったりに駐車場へ。「いろんな人がコロナに負けず頑張っていて、感慨深い。こちらも元気をもらっている」と感激した様子の海老原さん。東さんも「子どもたちのお昼をどうしようかなと考えていたので助かった。とても良い取り組み」とにこやかに話した。

 同法人の若松剛=たけし=監事は「コロナ禍で、この時代に感受性を育むべき子どもたちが、家にこもり窮屈な思いをしている。少しでも子どもたちの幸福度に貢献したいと思った」と、「こども食堂」開催の経緯を語った。

 駐車場の貸し出しを行った奄美大島信用金庫本店の伊東寛久理事長は「地域貢献の一環としてお貸しした。(こども食堂が)盛り上がればうれしい」と語った。