警戒レベル「5」から「4」へ

奄美大島新型コロナ対策本部
1カ月ぶりに引き下げ 「感染広がり抑え込んでいる」判断

 奄美大島の5市町村長で組織する奄美大島新型コロナ対策本部(本部長・朝山毅奄美市長)は30日、最大級の警戒を示す「レベル5」となっている島内の新型コロナ警戒レベルについて、感染の広がりが抑えられていることなどから、31日付で「レベル4」に引き下げることを決定した。同本部は31日、5市町村長名で、引き下げに伴う共同メッセージを出すことにしている。

 同島では、奄美市の接待を伴う飲食店でクラスター(感染者集団)が発生したことなどから、4月30日に警戒レベルを5に引き上げ施設の利用を制限するなど、島民に最大級の警戒を呼び掛けていた。

 しかし、その後もクラスターによる感染者数が53人まで拡大、奄美市では4月26日以降、これまでに計89人の陽性が確認されるなど感染が拡大したことで、約1カ月間に渡り、警戒レベル5が維持されていた。

 今回、レベルの引き下げについては、①同市で発生したクラスター(感染者集団)の状況②島内での感染の広がり③医療体制の状況―について現状を分析。2週間以上、クラスターが発生していないことや、27日以降、島内での新規感染がなく、感染の広がりが抑えられていることなどから判断した。

 一方で、県内でも広がりを見せている変異株について、感染力が強く、重症化リスクも高いことなどから、奄美市では「レベルが引き下げられても気を緩めることはできない」とし、マスク着用や手指の消毒、換気の徹底など、感染防止対策を求めている。また、感染が拡大した場合、県本土の医療機関への救急搬送が、感染者や家族の負担を大きくするとして、「かからない」「うつさない」ための取り組みを求めている。奄美市の担当者は、「感染が疑われたら、人との接触を避け、できるだけ早くかかりつけ医など医療機関に相談してほしい」と呼び掛けている。