商店街にシェア本屋オープン

オープン直後から家族連れでにぎわったシェア本屋「AMAMI・MUJIN」

ブックオーナーの中高生と代表の木村さん(左端)

中高生らブックオーナーに登録
「気軽に本に親しむ空間に」

 奄美市名瀬末広町の中央通りアーケードに30日、シェア本屋「AMAMI・MUJIN(アマミ・ムジン)」がオープンした。初日から、家族連れや中高生らが詰めかけ、にぎわい、絵本などを買い求める客の姿もあった。代表の木村麻里さん(31)は、「誰でも気軽に立ち寄り、本の楽しさを感じてもらえる空間にしていきたい。商店街の活性化にもつなげたい」と、シェア本屋への思いを語った。

 シェア本屋は、ブックオーナーとして登録した個人が、それぞれ所有する本を持ち寄り、店内の本棚をシェアし、販売するもの。木村さんが2年ほど前、旅行先の奈良県でその存在を知り、子どもたち主体の店を発案。今年3月、小学校の臨時教職員を退職したのを機に、4月から夫の謙太さん(31)の協力も得て準備を進めてきた。

 現在、オーナーとして登録しているのは、中高生を中心に4~70歳の約30人。本は1冊100円から数百円程度で販売。購入者は本に挟んである封筒にお金を入れ、備え付けのポストに入れる。売上金の2割が店側の収入となり、8割がオーナーに支払われ、新たな本の購入費などに充てられる。

 中央通りと奄美本通りの交差点にある店舗は、6畳ほど。店内には、謙太さん手作りの本棚が設置され、児童書や文学書、実用書、漫画など約300冊が並ぶ。ブックオーナーとなった中高生らも1カ月ほど前から、店の壁の塗装や本棚の設置、本のポップづくりなどを手伝った。

 子どもと一緒に同店を訪れた同市名瀬小俣町の県職員、中島壮志さん(42)は「子どもたちが気軽に本に触れることができる空間が気に入った。子どもと一緒にブックオーナーにも参加したい」と話し、早速、オーナー登録をした。

 オーナーとして参加、約30冊の本を出品した大島高校1年の岡崎杏さん(15)は「自分の本がお店に並んでいるのが新鮮。いろんな人に手に取ってもらえるよう魅力的な本棚をつくって、誰でも気軽に立ち寄ってもらえる場所にしていきたい」と話した。

 木村さんは「本を通して、たくさんの人たちが交流できる場所にしたい。子どもたちが、大好きな本を通して店舗経営の楽しさや難しさを知る機会も提供できれば。興味のある人は是非、オーナーになってほしい」と、参加を呼び掛けている。

 営業時間は午前9時~午後6時で、定休日は決まっていない。店舗やオーナーなどの問い合わせは木村さん(電話080―4231―5477)へ。