『ダーウィンが徳之島に来た!』

世界自然遺産登録へ、アマミノクロウサギ(国指定特別天然記念物)のロードキル防止の訴えも=30日、徳之島町

「ダーウィンが徳之島に来た!ワークショップ」参加ファミリー

生き物や環境学び保護アピール
親子連れ約70人

 【徳之島】『ダーウィンが徳之島に来た!ワークショップ~つたえることば、つなぐいのち~』(NHK鹿児島放送局、徳之島3町主催)イベントが30日、徳之島町生涯学習センターであった。小学生とその保護者ら合わせて約70人が参加。世界自然遺産登録を目指す同島の生き物や環境問題を楽しく学び、保護を訴えるオリジナル看板やイラスト制作などで交流した。

 NHK鹿児島・沖縄両局が、世界自然遺産登録を目指す4つの拠点(奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島)の小学生と保護者らを公募して「ダーウィンが来た!」とコラボレーション。ワークショップなどで各島・地域の生き物や環境問題、未来に豊かな〝いのち〟をつなぐアイデアを考えるイベント。SDGs(持続可能な開発目標)の「陸の豊かさも守る」ための①知ってもらい②気づいてもらい③何か行動を起こすきっかけ―にも位置付けている。

 徳之島会場ではまず、NHKの動物番組「ダーウィンが来た!」のマスコットキャラクターにちなんだ「自然を知ろう!ヒゲじい特別授業」として、天城町の自然保護専門員岡崎幹人さん(47)が講師を担当。アマミノクロウサギ(国指定特別天然記念物)など希少野生生物の「かち」、その〝世界の宝〟の命を奪うロードキル(交通事故死)や絶滅危惧植物の盗採など弊害についても分かりやすく解説した。

 ワークショップはアーティスト・イラストレーターの「pokke104」さんが担当。看板は「生態系の破壊につながらないよう」、①取らない②持ち込まない③驚かせない。イラストは「ここだけにしかいない大切な資源を残していくため」に、①ストップロードキル②ゴミを捨てない③生き物をとらない、驚かせない、持ち込まない―がコンセプト。小学生たちは親子や兄弟姉妹でアドバイスしあいながら取り組んだ。

 母親と参加して、ケナガネズミ(国指定天然記念物)のロードキル防止を呼び掛けるイラストを描いていた基朝陽(もとい・あさひ)さん(天城小4年生)は「(徳之島には)ほかの地域にはいない生き物もいっぱい。その珍しい生き物が減らないように、絵を見て気をつけて欲しいです」とにっこり。

 同イベントは今月8日に沖縄県国頭村会場からスタート。23日予定した奄美大島は新型コロナ情勢で中止、徳之島が3回目(最終)に。作品は島内各所に設置して地域や観光客にアピールするほか、「守りたい生き物」のイラストはアーティストがデジタル巨大絵に仕上げて両県の4拠点を中心に各地を巡回予定。放送日は未定で、決まりしだい告知予定という。